GMT機能を搭載した腕時計の本質と選び方。おすすめモデル4選と併せて解説

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2023.02.15

3針の腕時計から付加機能搭載モデルへ手を伸ばす際、注目したい機能の代表格はGMT機能だ。GMTモデルの魅力や操作方法を知り、海外拠点とのビジネスや海外旅行でスマートな大人を演出しよう。おすすめモデル4選も紹介する。

GMTウォッチ


腕時計におけるGMT機能とは?

腕時計にはGMT機能搭載モデルやGMTモデルと呼ばれるカテゴリーがある。第2時間帯や第3時間帯を表示するGMT機能の概要・操作方法を解説する。

GMT機能の概要

1884年に国際子午線会議で定められた「GMT(グリニッジ標準時)」は、イギリス・ロンドンのグリニッジ天文台(経度0度)における時刻、つまり本初子午線における基準時刻である。

GMTはかつての世界標準時であり、1972年以降は原子時計を基にした「UTC(協定世界時)」で世界のタイムゾーンが定められている。

GMT機能は異なるタイムゾーンの時間を同時表示できる機能、つまり第2時間帯表示機能のことだ。一般的なGMTモデルは、時分秒針で指すローカルタイムと、24時間で1周するGMT針で指すホームタイムを同時表示できる。

55年に登場した世界初のGMTモデルであるロレックス「GMTマスター」以降、UTC策定後も第2時間帯表示機能をGMT機能と呼ぶことが通例だが、IWCやジンなどはUTC機能と呼ぶ。

GMT機能の操作方法

GMTモデルによって操作方法はさまざまだが、基本的には時分針・GMT針・回転ベゼルを操作し、回転ベゼルやインナーベゼル上の24時間表示で第2時間帯や第3時間帯の時刻を読み取る。

ロレックス GMTマスターIIの場合、まず回転ベゼルをニュートラルポジション(0時位置が12時方向)にしておき、ホームタイムを設定してからローカルタイムを設定する流れだ。

リュウズを2段階引いてGMT針・分針を操作し、回転ベゼル上の目盛りでGMT針を、ダイアル上の目盛りで分針をホームタイムに合わせる。続いてリュウズを1段階引きに戻して、時針を操作してローカルタイム・日付を設定する。

さらに回転ベゼルを操作することにより、GMT針が回転ベゼル上に指す時刻から第3時間帯を読み取ることも可能だ。


GMT機能を搭載した腕時計を選ぶ際のコツ

GMTモデルをリリースしているメゾンは多く、デザインやサイズのバリエーションは豊富だ。多種多様なGMTモデルの中からお気に入りの1本を見つけるために、選ぶ際のコツを2点に分けて解説する。

文字盤の視認性をチェック

GMTモデルは一般的な腕時計よりも情報量が多いため、日常的な使いやすさのためには文字盤の視認性が重要だ。GMT針の太さや色をチェックし、現在時刻が瞬時に読み取りやすいものを選ぼう。

文字盤と回転ベゼルの色の組み合わせもポイントだ。GMT機能を多用しなければ時分針の読み取りがメインになるため、回転ベゼルが目立ち過ぎないかどうか、文字盤にフォーカスしやすいかどうかもチェックしたい。

自分に合ったサイズのモデルを選ぶ

自然にフィットする腕時計のサイズは、手首の太さや手の大きさ、体格によって異なる。特に回転ベゼル付きのGMTモデルは大ぶりに見えやすいため、バランス良く見えるサイズ感のモデルを選ぼう。

ケース径の目安は、細身であれば37mm以下、標準的な体型なら38〜42mm程度だ。ケース径43mm以上のGMTモデルはマッシブな印象になるため、大柄または筋肉質な人に向く。


GMT機能を搭載したおすすめモデル4選

GMTモデルと言えばロレックスが有名だが、ロレックスの姉妹ブランドであるチューダーも独自路線のGMTモデルをリリースしている。日本が誇るグローバルブランド、グランドセイコーのGMTモデルも秀逸だ。おすすめのGMTモデル4選を解説する。

ロレックス「GMTマスター Ⅱ」126710BLNR

GMTマスターII 126710BLNR

ロレックス「GMTマスター Ⅱ」126710BLNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチールケース(直径40mm)。100m防水。

2013年発売のロレックス「GMTマスター Ⅱ」116710BLNRは、GMTマスターに新色の青黒ベゼルを採用した、通称「バットマン」の元祖モデルである。

2019年に後継モデル「126710BLNR」が登場したことにより旧型モデルとなったが、新型は7連のジュビリーブレスレットを採用しており、従来の3連オイスターブレスレットを装備した116710BLNRはいまだに高い人気を誇る。

ロレックス「GMTマスター Ⅱ」126719BLRO

GMTマスターII 126719BLRO

ロレックス「GMTマスター Ⅱ」126719BLRO
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。

2019年に発表されたロレックス「GMTマスター Ⅱ」のホワイトゴールド製モデルがRef.126719BLROだ。最もGMTマスターらしい赤青ベゼルを採用したアイコニックピースである。

上のブルーダイアルモデルに加え、本物の隕石を加工して文字盤に採用したメテオライトダイアルを持つモデルもラインナップされる。GMTマスター Ⅱでメテオライトダイアルが使われているのは、このRef.126719BLROのみである。

チューダー「ヘリテージブラックベイGMT」79830RB

ヘリテージブラックベイGMT 79830RB

チューダー「ヘリテージブラックベイGMT」79830RB
自動巻き(Cal.MT5652)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.52mm)。200m防水。46万900円(税込み)。(問)日本ロレックス/チューダー Tel.0120-929-570

チューダー「ヘリテージブラックベイGMT」79830RBは、ヴィンテージ感のある赤青ベゼルにブラックダイアルを採用した、リュウズガードのないGMTモデルである。

ベゼルに配された細身のフォントのアラビア数字や刻みの細かいコインエッジ、時針・秒針・GMT針に採用されたスノーフレーク針は、洗練されたニュークラシックの雰囲気をたたえる。

チューダーはラグビーのワールドカップでスポンサーを務めたこともあり、近年人気上昇中だ。2021年には銀座の旗艦店が移転オープンし、e-ブティック機能も加わった「チューダー ブティック BOLTE銀座(TUDOR BOUTIQUE BOLTE GINZA)」に生まれ変わり、ステータス性がいっそう向上している。

グランドセイコー「エレガンスコレクション スプリングドライブ GMT」SBGE271

エレガンスコレクション スプリングドライブ GMT

グランドセイコー「エレガンスコレクション スプリングドライブ GMT」SBGE271
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R66)。30石。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.2mm、厚さ14.0mm)。日常生活強化防水。72万6000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

グランドセイコーの「エレガンスコレクション スプリングドライブ GMT」SBGE271は、グランドセイコーが誇る独自の駆動方式「スプリングドライブ」を採用したGMTモデルである。回転ベゼルは持たず、ダイアル外周に配された24時間表示でホームタイムを読み取る。

ケース・針・インデックスはエッジの効いたデザインと仕上げで、秋の5番目の節気である「寒露」の夜空を表現したブラックダイアルに、ゴールドカラーのGMT針が鰯雲からのぞく月の光のように美しく輝く。スプリングドライブ搭載モデルならではのスイープ運針も魅力だ。

今やグランドセイコーは日本国内だけでなく、海外での人気も高く、その中でもGMT機能搭載機はビジネスシーンにマッチするモデルとして需要が高い。


GMT機能搭載機を身に着け、ワンランク上の自分に

シンプルな3針モデルから付加機能搭載モデルへ手を伸ばす際、注目したい機能の代表格はGMT機能だ。GMT機能を駆使すれば、海外拠点とのビジネスや海外旅行でスマートに時刻を確認できる。

回転ベゼルが少々派手だと思うなら、ダイアル外周やインナーベゼルでホームタイムを読み取るGMTモデルもある。GMTモデルを身に着け、ワンランク上の自分になろう。