スイスのラ・ショー・ド・フォンで誕生したオメガは、今や高級時計ブランドの一翼を担う存在として、年代・性別を超えて世界中の人々から愛されている。今回は、なぜオメガが人々から愛されているのか、その理由をブランド価値から見ていくとともに、メンズコレクションの定番モデルを紹介していこう。
オメガが選ばれる理由
オメガは、華やかな社交界からビジネス界のエグゼクティブまで、数々の世界のトップに選ばれる高級腕時計ブランドである。
時計界で最大級の知名度を誇り、広い販売網を構築していることで、販売のみならずメンテナンスのサービスも充実している。高級時計初心者にもうってつけの存在だ。
あらゆる層に訴求力を発揮し、多数のユーザーに選ばれる理由を再確認してみよう。
誰もが知る抜群の知名度
大きな魅力のひとつとして、国や地域、世代を超えて使用されている、高いユーティリティーが挙げられる。
1848年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで誕生したオメガは、常に腕時計の世界の先頭を走り続けてきた。いつの時代も機能・デザインともに高級時計の栄誉を受け、その歴史を重ねてきたことで独自の伝統を確立してきたのである。
その結果、若者からは羨望の眼差しが送られ、ミドルエイジにとってはビジネスにもフォーマルにもマッチする時計として認知され、オールドエイジからは確固たる評価を受ける存在だ。
ユーザーの期待を裏切らない歴史を重ねてきたことで、世界各国で常に1・2を争うネームバリューを保持している。抜群の認知度は、オメガの技術開発力の確かさを証明していると言えよう。
品質と価格のバランスがいい
オメガの腕時計は、価格だけを見れば安価とは言えない。正確な時間を知るだけでよければ、手頃な金額で手に入る時計はいくらでも見つかる。
しかしながら、それでもオメガのタイムピースは、最高のコストパフォーマンスだと称賛されるのである。
では、腕時計においては、何をもってコストパフォーマンスを測るのだろうか? いささか抽象的なその価値を、具体的に検証してみたい。
おそらく、次の4要素を総合的に鑑み、判断される。それは「精度の高さ」「耐久性」「ステータス」「リセールバリュー」だ。そして、そのいずれにおいても、オメガは最高ランクに位置付けられる。
革新的な技術力
オメガの技術力を語る上で、「コーアクシャル」の存在は欠かせない。ムーブメントの重要な要素をなす脱進機(エスケープメント)において、オメガは革新的な開発に成功しているのだ。
脱進機は、極めて大きな摩擦が生じる機構である。その結果、ケース内の油の劣化を促進し、各パーツの消耗を激しくさせる。そのため、定期的なオーバーホールが必要となるのだ。
オメガでは、脱進機を構成するガンギ車とアンクルの爪の数を、従来の2倍に変更した。その結果、摩擦を大いに低減することが可能となり、通常3~4年と言われるホーバーホール間隔を、8~10年へと長期化できたのである。
こんな人は、オメガを選ぼう!
世界のトップのみならず、日常のビジネスシーンにもふさわしいオメガは、全てのシーンにマッチする高級時計と言える。
身に着ける人やシーンを選ばないブランドだが、特に手にしてほしいモデルについて考察する。
初めて高級時計を買う人
自らの生活にゆとりが生まれ、社会的ポジションもアップすると、相応な装いが求められるものだ。成長した自分に合わせ、価値あるアイテムを初めて手にしようという人もいるだろう。
オメガは、そんな高級腕時計ビギナーにぜひ選んでほしいブランドだ。
オメガに匹敵する精度とネームバリューを備えた時計メーカーでは、稀少性に重きを置き、マーケティングを実践している部分がある。供給をあえて抑えることで相対的な価値を上げ、価格に反映させるものだ。その結果、タイムピースの購入価格は上昇傾向をたどる。
対してオメガは、その価値を広く届けるために、十分な供給量を確保し、市場へとリリースしている。そのため、最上級の高級時計でありながら、比較的手にしやすい価格が維持されている。
オメガの歴史が好きな人
熱心な時計愛好家や時計に関してプロフェッショナルである人がオメガを選ぶには、やはりそれだけの理由があるのだ。
多くの人を引きつけてやまないのは、積み重ねてきた歴史によるところが大きい。1969年のアポロ11号による人類初の月面着陸の成功時、宇宙飛行士バズ・オルドリンがスピードマスターを身に着けていたことなどは、その最たるものだろう。
そして、精度が高く評価された結果、オリンピックのオフィシャル・タイムキーパーに選ばれていることも、世にオメガの価値を知らしめることにつながっている。