ハイテク時計の最高峰クストス(CVSTOS)とは?その魅力に迫る

FEATUREその他
2021.12.11

数ある高級時計ブランドの中でも、クストスには一目見ただけでそれと分かるインパクトがある。ただ注目すべきは強烈な個性が光ると同時に、品格に満ちた美しいたたずまいを併せもつこと。その歴史をひも解き、代表的なシリーズやおすすめモデルを紹介する。

クストス


革新的な機械式腕時計ブランド「クストス」

クストスの極めて緻密に構成されたムーブメントは、単に時を刻むだけの道具に留めておかない美しさがある。最高の技術から創出される機能は、各パーツの動きにロマンすら感じさせるほど。

こうした魅力を堪能したいのであれば、クストスを提案したい。

クストスは、機械式腕時計に革新性を与えることで新しい“美”を生み出した。伝統的な技法を受け継ぎつつ、未来的なデザインを刻むクストスの歴史について掘り下げてみよう。

クストスの歴史と意味

サスーン・シルマケス(左)とアントニオ・テラノヴァ(右)

CEOのサスーン・シルマケス(左)とアントニオ・テラノヴァ(右)。2004年、20歳のときに出会った二人が翌年立ち上げたのが「クストス」。アントニオ・テラノヴァは1967年にラショー・ド・フォンで生まれ、カルティエやピアジェ、タグ・ホイヤー、ゼニス、ブライトリングでキャリアを積んだ人物だ。

クストスは、優れた技術を持った先駆者たちが切り開いた高級時計の聖地である、スイスで誕生した。経営の才に恵まれた若き実業家サスーン・シルマケス、そして天才デザイナー、アントニオ・テラノヴァによって、2005年に設立された。

若いブランドだが、その名は瞬く間に世に広がることとなった。未来へと目を向けた斬新なデザインと革新的なアイデアによって、次々と時計界を驚かせるモデルを発表してきたからである。

ラテン語で「守護神」を意味するブランド名には、スイスの時計作りの歴史を受け継ぐ覚悟を宿す。彼らの、伝統の真髄を守る情熱が、独自の哲学を構築しているのだ。その哲学とは、ハイテク、スポーティー、エレガンス。

いずれのタイムピースも、大胆なデザインながら視認性に優れ、ビジュアルの美しさとともに高い実用性も有している。クストスが求める価値観が、細部にまで行き渡っているのである。

クストスの特徴

クストスのメカニカルでダイナミックなデザインは、圧倒的な存在感を放つ。

特徴的なプッシュボタン、大きめのトノーケース、ラバーベルトへのこだわりなど、独自の要素が集約されたタイムピースは、オリジナリティーの塊だ。

その独自性を支えているのは、複雑なデザインを具現化できる高度な専門性と高い技術力である。素材の選択から製造、仕上げに至る全ての工程が緻密に計算され、本格的機械式時計の構造美を体現しているのである。


クストスならではの強みとは?

ブランド創設後、瞬く間に世界の高級腕時計ブランドの一翼を担う存在へと成長したクストス。その強みと魅力に迫る。

機械美を追求した美しいデザイン

クストス

クストスの価値は「性能」「効率性」「気品」「希少性」という、4つの要素を突き詰めることによって生まれている。洗練された感性と卓越した技術力も、全てこの4つのファクターのつながりで構築されているのだ。

製造においては、極めて複雑な作業工程を経る。そこに一切の妥協はない。

困難をいとわない姿勢は、時計作りでは難易度が高いとされる、最高品質のチタンとタングステンとの組み合わせにも成功。これが高い回転率のローターの開発に結実し、世界を驚かせる高性能ムーブメント搭載モデルを誕生させたのである。

大胆なデザインは、精巧な機構を構築する高い技術力だけが生み出すことのできる機能美なのである。

時計製造における伝統と高度な技術の融合

クストス

クストスは、現代人が心に秘めるモダンな感覚を、時計で体現することに挑んでいる。新しい価値観が常にクストスのタイムピースに宿っているのはそのためだ。

しかし、新しさにチャレンジしながらも、スイスに根づく時計作りの伝統を忘れることはない。伝統的な技法を継承しつつ、そこに高度な技術を融合することで、革新性と実用性が併存する時計を生み出しているのだ。

クストスのCEOであるサスーン・シルマケスの父親は、高級メゾンに名を連ねるフランク ミュラー・グループの共同経営者ヴァルタン・シルマケスである。サスーン・シルマケスは、子どものころから時計作りの全てを父親から学んできた。

クストスにある伝統と未来の共存は、偉大なメゾン・オーナーであるヴァルタン・シルマケスの伝統技術を尊敬する姿勢、常に時代へと視線を送り続けたマインドに由来していると言えるだろう。だからこそ、伝統と技術の融合に成功したのだ。