世界最大の時計売買マーケットプレイス「Chrono24」は、所有する膨大なデータベースを活用したサービスも強みのひとつだ。今回は同社アプリケーションの「ウォッチスキャナー」機能を実際に利用し、その使用感をレポートする。
細田雄人(本誌):文 Text by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
クロノス日本版 2021年5月号 掲載記事
“Watch Scanner&Virtual Showroom”
世界100カ国以上の時計コレクターや販売業者によって50万本以上の時計が出品されているChrono24では、その膨大な時計の情報をデータベースとして活用することで、独自のサービスを提供している。その好例が「ウォッチスキャナー」だ。これはアプリケーション版に備わっている機能で、スマートフォンで撮影した写真から時計を特定するというもの。この機能を用いることで、モデル名やリファレンスナンバー、搭載ムーブメントのスペックやケース径といった時計の基本情報、Chrono24内での販売価格、おすすめの販売価格まで知ることができる。
今回、ウォッチスキャナーに読み込ませたのは、パネライ「ラジオミール 8デイズチタニオ」だ。スキャンが完了するとモデル名やスペックといった基本情報と、Chrono24での平均価格と最安値、そして最高価格が表示される。出品を検討している場合は、この情報を引き継いで出品フォームに進むことが可能だ。基本情報は入力されている状態のため、コンディションや付属品の有無、特記事項などを打ち込むだけ。そして最後に販売価格を設定すれば出品の準備が完了する。
なお、時計を手放す気がないユーザーにもウォッチスキャナーは有用だ。ウォッチスキャナーで得た情報を基に、時計を「Watch Collection」に登録できるからである。Watch Collectionは自身の所有する時計の市場価格を、そのモデルの基本情報とともにアーカイブしてくれる機能のこと。最短1カ月、最大で10年間の価格推移をグラフで見ることができるため、“売り時”を見極めたり、コレクションの価格変動を長期にわたって分析したりすることができるのだ。
また、Chrono24独自のサービスといえば、「バーチャル ショールーム」も見逃せない。これはスマートフォン越しに指定の紙ベルトを巻いた手首を写すことで、特定モデルを仮想的に試着できるAR(拡張現実)機能のことだ。時計のサイズ感を実機なしに確認できることは、オンライン販売では相当な強みである。対応モデル数はまだ少ないが、今後、その数が増えれば、オンライン購入に抵抗がある愛好家への後押しとなるだろう。
https://www.chrono24.jp/
https://www.chrono24.jp/info/apps.htm
https://www.webchronos.net/features/59624/
https://www.webchronos.net/features/56838/
https://www.webchronos.net/features/59929/