Q:2021年の新作、なぜグリーンの文字盤が増えたの?
2021年4月11日掲載記事
A:トレンドとサプライヤーの技術進歩のタイミングが一致したため
4月7日に開催された時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ 2021」。多くの新作に共通するのが、グリーンの文字盤でした。たしかに今までもグリーンの文字盤は多くありましたが、2021年は大豊作といってよいほど数を見るようになりました。理由はいくつかあります。ひとつは、トレンドを意識したため。エコを感じさせるだけでなく、中国人の好むグリーンは、今推すにはうってつけの色なのです。また、以前と違って、グリーンの文字盤は作りやすくなりました。かつてグリーンの文字盤は、PVDを使うか、ラッカー塗装でしか表現できませんでした。しかも、ラッカーのグリーンは色が安定しなかったため、量産品には使いづらかったのです。しかしサプライヤーの技術進化により、以前は難しいとされた、グリーンやイエローといった色を使えるようになりました。とはいえ、グリーンにもレベルがあります。2021年のパテック フィリップは、新しいノーチラスに、薄いグリーンを採用。あえて抑えた色を、しかも文字盤に薄く載せるのは今なお大変に難しいことなのです。あえて採用したのは、他社にはできないことをする、というパテック フィリップのアピールなのかもしれません。
パテック フィリップは「ノーチラス 5711」のファイナルバージョンとして、ウォッチズ&ワンダーズ 2021でオリーブグリーン・ソレイユ文字盤を持つモデルを発表した。グリーンは淡いトーンのため、ラッカーではなくメッキによる塗装だと考えられるが、メッキによるグリーン塗装は技術的にかなり困難とされている。
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