かのロックンロール・キング、エルヴィス・プレスリーの手元を飾った腕時計として一躍名を馳せたハミルトンの「ベンチュラ」。ベンチュラ誕生60周年を記念して2017年に発表されたシースルーのシリーズより、2021年には新作となる「ベンチュラ エルヴィス80 スケルトン オート」が追加発表された。
Text by Mark Bernardo
2021年4月13日掲載
世界初の電池式腕時計をたたえるトリビュートモデル
1957年に発表された世界最初の電子時計、ハミルトンの「ベンチュラ」。エルヴィス・プレスリーが1961年の映画「ブルーハワイ」でこの腕時計を着用したことは有名だ。現在、ベンチュラを自社のアイコンウォッチに据えるハミルトンは、エルヴィスとのつながりを再認識し、エルヴィス生誕80年の2015年にベンチュラの現代解釈版「エルヴィス80」シリーズを発表している。2017年のベンチュラ誕生60年の節目には、アヴァンギャルドなシースルーモデル「エルヴィス80 スケルトン」がエルヴィス80に追加された。この後継機にあたる同シリーズの最新作「ベンチュラ エルヴィス80 スケルトン オート」が2021年に発売となった。これはハミルトンが世界初の電池式腕時計を生み出したことをたたえるトリビュートモデルであり、シースルー仕様に映える中央のジグザグ模様が際立つデザインである。
クラシックなベンチュラのデザインコードを再解釈した「ベンチュラ エルヴィス80 スケルトン オート」。サイズは大ぶりな縦42.5mm、横44.6mm、厚さは12.3mmとなっており、カラー展開は2種類ある。ステンレススティールケースにローズゴールドカラーのPVDコーティングが施されたものと、ブラックPVDコーティングが施されたものだ。サファイアクリスタル製風防には反射防止加工が施され、ケースの防水性能は50mとなっている。
文字盤は、2017年の「エルヴィス80 スケルトン」と同様に、蓄光塗料が塗布された剣型の針とアワーマーカーを備えている。センターにはジグザグに走る「エレクトリックパルス」模様が文字盤を横切るように配されている。これはエルヴィスの手首を飾った1950年代のベンチュラに着想を得たものだ。配色はローズゴールドPVDモデルでは針と「エレクトリックパルス」がローズゴールドカラーで、ブラックPVDモデルでは時分針がニッケルメッキであり、秒針と「エレクトリックパルス」模様には赤色があしらわれている。
シースルー仕様のために文字盤から見ることができる自動巻きキャリバーH-10-Sは、ハミルトンと同じスウォッチ グループ傘下のETAがハミルトンのために特別に開発したものだ。テンプは緩急針がないフリースプラングテンプで、パワーリザーブは香箱から脱進機までの輪列による一連の動力伝達を改良した設計により約80時間の長さを保持している。地板と受けにはコート・ド・ジュネーブ仕上げが施され、装飾性も高められた。
ローズゴールドPVDとブラックPVDの両モデルともに、トライアングルケースはブラックラバーストラップと一体化し、尾錠によって安定感高く手首に装着される。価格はどちらも税込み23万8700円で、名高きベンチュラを手に入れるにはかなり値打ち感があるだろう。
Contact info: ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7371
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