パネライが展開する独自素材は多い。「〜テック」という名称が付けられるこれら素材の中で、最もプレシャスなのが「プラチナテック™️」だろう。今回は同素材を使用し、70本が限定販売される「ルミノール マリーナ プラチナテック™️ - 44mm」(PAM01116)を紹介する。
自動巻き(Cal.P9010)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。プラチナテック™️(直径44mm)。5気圧防水。世界限定70本。477万4000円(税込み)。
Text by Mark Bernardo
2021年4月21日掲載記事
パネライ「ルミノール マリーナ プラチナテック™️ - 44mm」
パネライがプラチナ製ケースを採用することは極めてまれである。ところが、同社が持つ革新的でハイテクな開発研究の拠点、「アイデアの工房(LABORATORIO DI IDEE)」は、この素材に現代的なひねりを加えることで新たな素材を生み出した。それがプラチナテック™️である。
パネライ独自素材のゴールドテック™️同様、プラチナテック™️はその名の通りプラチナをベースにした合金で、仕上げと研磨の工程が困難になるにも関わらず、硬度と耐久性という物質の特性を強化している。これにより「ルミノール マリーナ」コレクションの特徴であるクッションシェイプのケースは、繊細な仕上げを施すため、非常に大変な手仕上げの工程を要することとなった。
直径44mmのケースには、ベゼルからケース本体、12面のねじ込み式ケースバック、特許取得のリュウズプロテクターに至るまでプラチナテック™️が採用されている。ドーム型サファイアクリスタル製風防の下には、オリーブグリーンのサンドイッチ文字盤が配され、サンレイ仕上げが与えられる。
アラビア数字インデックスとバーインデックス、ブルーのアクセントが付いた針には、ヴィンテージ調のスーパールミノバが施される。このスーパールミノバは、日中こそクリームカラーだが、暗闇ではグリーンに発光する。全体のバランスのとれたレイアウトは、3時位置のデイト表示と9時位置のスモールセコンドがシンメトリーに配置されることで完成している。
70周年保証を実現したCal.P.9010
サテン仕上げの裏蓋は、サファイアクリスタルによってトランスパレント化されるため、パネライの自社製ムーブメント、キャリバーP.9010を鑑賞することができる。自動巻き機構は両方向巻き上げを採用しており、これによってツインバレルに最大約72時間のパワーリザーブが蓄えられる。
31石を含む200点のパーツで構成されるムーブメントは、厚さ6mmと重厚で、信頼性が高い。正確な時刻合わせを手伝うストップセコンドや、迅速かつ簡単にタイムゾーンやデイト調整が行える時針の単独調整システムなど、実用的な機構も備えている。
ムーブメント鑑賞の際に少し干渉するのが、トランスパレントバックに配された、70年保証をうたうメダルだ。70年という数字はもちろん、パネライの品質に対する高い自信の現れであるが、それ以外にも初代ルミノールモデルが2020年で70周年を迎えたことも由来する。
組み合わされるのはステッチでコントラスを効かせたブラウンのアリゲーターストラップで、やはりプラチナテック製の台形のバックルが付属する。なお購入時には2本目のストラップのオプションが、ストラップとバックルの交換に使えるドライバーと共に提案される。販売本数もやはり、70周年にちなみ、70本だ。
Contact info: オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110
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