「オイスター パーペチュアル エクスプローラーII」は、ロレックスのプロフェッショナルウォッチの中でも個性の強いタイプの時計である。現行モデルはもちろん、歴代モデルの特徴を知ることで、自分に向いた1本を選びやすくなるだろう。エクスプローラーIIの歴史や、モデルの魅力を紹介する。
エクスプローラーIIが支持される理由とは?
「オイスター パーペチュアル エクスプローラーII(以下、エクスプローラーII)」は「エクスプローラー40」または「エクスプローラー36」に比べ、機能面やデザイン面にユニークな特徴を持つ。その魅力を解説し、支持される理由に迫る。
強い個性を持つ時計
エクスプローラーIIの大きな特徴として、ユニークなデザインが挙げられる。固定された24時間表示のベゼルを指す大きな針は、ひときわ目を引く鮮やかなオレンジ色である。
第3世代のRef.16570から2011年にモデルチェンジしたRef.216570では、ケースサイズが2mm大きくなり42mmとなった。インデックスや時分針も大きくなり、視認性を向上させつつ、個性もより強められている。
そもそもエクスプローラーは、過酷な環境下でも使用できる優れた機能性と耐久性を備えた時計だ。その上位モデルとして登場したエクスプローラーIIではモデルチェンジするたびにデザインの良化を図っている。
文字盤の色が2種類存在する
エクスプローラーは、初期のタイプ以外はブラックの文字盤が基本である。しかし、エクスプローラーIIには、ブラックとホワイトの2タイプが存在する。
ブラックの文字盤が組み込まれたRef.216570は、時分針と24時間針の根元部分もブラックにペイントされている。3本の針が浮いているかのように見える「ファントム効果」を狙った仕様だとされている。
GMT機能とカレンダー機能を備える
エクスプローラーIIのデザインを特徴付けるオレンジの24時間針は、昼夜の区別が難しい地域で役立つだけでなく、第2時間帯を示すGMT機能としても利用できる。
GMT機能とは、例えば渡航先の時刻と日本の時刻など、異なるふたつの時間帯を同時に表示できるもので、海外出張の多いビジネスパーソンにとって便利な機能といえるだろう。
日付がひと目で分かるカレンダー機能が備わっている点も、エクスプローラーIIが支持を集める理由のひとつである。シンプルさを追求したエクスプローラーには搭載されていない機能だ。
エクスプローラーIIの歴史
冒険者の時計として誕生した「エクスプローラー」は、より過酷な状況に耐えうる時計として進化を続けている。誕生50周年を迎えるまでの歴史を見ていこう。
洞窟探検家向けのモデルとして誕生
1930年代以降、ロレックスはさまざまな分野をサポートしながら、時計の性能を世に示してきた。53年に人類が初めてエベレストの登頂に成功した際も、ロレックスの時計が携行されている。
その経験を生かして開発されたエクスプローラーをさらに進化させ、洞窟探検家向けのアドベンチャーウォッチとして誕生したのがエクスプローラーIIである。
しかし、24時間表示機能などのスペックを追求し過ぎるあまり、当時の一般ユーザーには浸透しなかった。そこでデザインや機能が一新され、マイナーチェンジを繰り返しながら人気モデルへと進化を遂げていく。
誕生40周年を迎えた2011年には、原点回帰をコンセプトとした4代目のRef.216570が発表された。ロレックスの最新技術が詰め込まれた、次世代アドベンチャーウォッチに生まれ変わっている。
誕生50周年を迎えるロングセラーモデル
1971年に初代モデルが誕生したエクスプローラーIIは、2021年に誕生50周年を迎えた。アニバーサリーイヤーにふさわしく、実に10年ぶりの新作となるRef.226570が発表された。
第4世代のRef.216570が誕生40周年の2011年に発表されたこともあり、時計ファンの間では21年の新作登場が早くから予想されていた。Ref.226570は、こうしたファンの期待に応える形で登場したモデルだ。
第5世代となる最新モデルは、前作のデザインを踏襲する一方、約70時間のパワーリザーブを備えた新型ムーブメントCal.3285が搭載されるなど、スペックが重視されたモデルとなっている。