オーデマ ピゲ ロイヤル オーク オープンワークの系譜。注目すべきモデル4選

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2021.12.16

オープンワークのダイアルを採用した「ロイヤル オーク」は、機械の動作美を余すところなく楽しめ、ベーシックなモデルとは違う魅力を堪能できる。ロイヤル オーク オープンワークの歴史や主なモデルを紹介する。

ロイヤル オーク フロステッドゴールド ダブル バランスホイール オープンワーク


ロイヤル オークとオープンワークダイアル

オーデマ ピゲの代表モデルである、ロイヤル オークの魅力を紹介する。特徴的なケースやベゼル、ブレスレットの意匠はそのままに、オープンワークダイアルを組み合わせたモデルの特徴もチェックしておこう。

オーデマ ピゲ ロイヤル オークとは?

ロイヤル オーク

1972年に誕生した「ロイヤル オーク」。八角形のベゼルやブレスレット一体型のケースはそのままに、象徴的なタペストリー装飾のダイアルをオープンワークのダイアルに置き換えてムーブメントを鑑賞できるようにしたのが、1996年に誕生した「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」である。

1972年に誕生したロイヤル オークは、金無垢が主流だった当時の高級時計において、初めて素材にステンレススティールを採用した時計だ。

八角形のベゼルと剥き出しになったビス留め、ケースと一体化したブレスレットが特徴で、これは天才と称された時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏(1931~2011年)のデザインによるものだ。

スポーツウォッチでありながらもラグジュアリーなテイストを失わず、どのようなシーンやファッションにもマッチする。優れた耐久性を備え、実用性も申し分ない。

オープンワーク仕様のロイヤル オーク

ロイヤル オーク フロステッドゴールド ダブル バランスホイール オープンワーク

2019年には、18Kホワイトゴールドの表面に霜のような細かい凹凸をつけた「ロイヤル オーク フロステッドゴールド ダブル バランスホイール オープンワーク」(2021年12月現在入手困難)も登場。ダイアルから覗くムーブメントの精緻な表情と、ケース、ブレスレットの上品な素材感とのコントラストに惹き込まれる。

ロイヤル オークのオープンワークモデルは、1996年に発表されたRef.25829が最初である。Cal.2121にパーペチュアルカレンダーを組み込み、長い間支持を獲得していたロングセラーモデルだ。ジャンボにも少数ながらスケルトン仕様が存在する。

その後2010年に発表されたRef.15305 ST.OO.1220ST.01は、日本人時計師の浜口尚大氏が手掛けたムーブメントを搭載。2012年には、「ロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン」のオープンワークタイプであるRef.15203 PT.OO.1240PT.01が登場した。

2016年にはSIHH(Salon International de la Haute Horlogerie/国際高級時計サロン)で「ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク(Ref.15407 ST.OO.1220ST.01)」を発表。リファレンス番号とセンター秒針から、Ref.15400のオープンワーク仕様であることがわかる。


オープンワークだからこそ味わえる魅力とは?

オープンワーク時計の歴史は古く、今から200年以上も前に誕生したデザインだ。時計の内部を鑑賞できる、オープンワークならではの魅力を紹介する。

オープンワーク時計の歴史と定義

オープンワーク時計とは、肉抜きされたダイアルにより、ムーブメントやフレームが露出したモデルのことである。数百のパーツで構成された内部機構の動きを鑑賞できる時計だ。

オープンワーク時計は18世紀に誕生したとされている。マリー・アントワネット王妃が時計に究極の贅沢を求め、天才時計職人アブラアン-ルイ・ブレゲにオーダーしたエピソードが有名である。

長い年月をかけて親子2代で完成させたため、ブレゲ自身や王妃がこの時計を見ることは叶わなかった。しかし、上流階級の間で話題となり、今日まで続くオープンワーク時計の歴史を切り開いている。

オープンワークならではの機械美を楽しめる

機械式時計のムーブメントは、数百もの部品から成り立っている精密機械だ。オープンワーク時計では、小さなパーツが複雑に絡み合う構造やその仕上げ、美しく動作する様子を堪能できる。

高い品質を持った時計に用いられていた手法であることも、オープンワークの特徴だ。見る人が見ればわかる内部の様子をさらけだしていることに、各メーカーの自信がうかがえよう。

考え抜かれて組み合わされた複雑な構造を見せるオープンワーク時計は、知的な雰囲気が感じられる点でも人気を集めている。