イタリアの建築家・インダストリアルデザイナーであったエットレ・ソットサスを中心とするデザイナー集団メンフィスの活動から40周年を記念し、ティソは「ティソ ヘリテージ メンフィス リミテッドエディション」を発表した。当時に敬意を表したこのシリーズは、メンズとレディスのクォーツモデルからなる全4本のリミテッドエディションであり、1988年にエットレ・ソットサスによって描かれたデッサンが下地となっている。
2021年6月23日掲載記事
1980年代デザインの神髄を体現する腕時計
1988年、デザイナーのエットレ・ソットサスは、自身のデザインスタイルを表現する時計をティソとコラボレーションして発表した。エットレ・ソットサスとはポストモダンを代表するデザイナー集団「メンフィス」を結成し、インダストリアルデザインに大きな影響を与えたイタリアで活躍した建築家・インダストリアルデザイナーである。
彼によってデザインされた家具と同様に、この時計は慣習や慣例から解き放たれたものであった。確かにかつての「ティソ ソットサス」は丸い形をしながら、サイドからはレンズ状に見えるものだった。その構造は傾斜のついたケースバックとベゼルで構成されていた。
ラグはないが、突起がブレスレットを取り付ける役割を果たす斬新なケース形状が大きな特徴であった。インデックスは当時には珍しい太くて存在感の大きなものであり、遊び心があふれていた。またリュウズがケースの真円のフォルムを妨げることがないように、ケースサイドに切り欠きが設けられた形状も独特であった。
このたびティソが発表したのは、このティソ ソットサスの復刻版「ティソ ヘリテージ メンフィス リミテッドエディション」だ。4つのリファレンスからなり、すべてがリミテッドエディションである。文字盤はオリジナルの美学を踏襲しつつ、大径化されている。
ケースはより引き締まった現代的なラインで再構築されている。風防のデザインは一新され、ケースと風防のラインになじむようカーブしている。
センター秒針の代わりにドットマークの付いた小さなディスクを採用している点も特徴的だ。ケースバックには一見ランダムな幾何学模様が描かれており、これはメンフィス・デザインの様式を彷彿とさせる。この模様は、ラバーブレスレットの内側にも踏襲されている。
クォーツ。SSケース(直径41mm)。5気圧防水。人工レザーストラップ。国内未入荷。世界限定2500本。
「ヘリテージ メンフィス リミテッドエディション」の2モデルはレディスモデルであり、サイズは直径34mmである。ひとつは白文字盤にステンレススティールケース、もうひとつはステンレススティールケースにイエローゴールドのPVD加工が施されたベゼルが組み合わされ、センターラグにブラックを効かせている。それぞれが世界限定1700本だ。
メンズモデルは直径は41mmである。ひとつはステンレススティール製ケースにイエローゴールドのPVD加工が施されたベゼル、PVD加工のブラックセンターラグのもので、レディス2モデルと合わせて白文字盤に黒色のインデックスという、オリジナルと同じ仕様だ。世界限定2500本である。もう1モデルはブラックPVD加工のステンレススティール製で、ブラックダイアルに白色のインデックスを配し、メンフィスのデザインコードに則ったコントラストを備えている。こちらの限定数は3000本となっている。
すべてクォーツモデルで、人工皮革のブラックストラップが組み合わされ、それぞれ異なるカラーのストラップが付属している。
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