Q:機械式時計の精度を調整なしで良くする方法はありますか?
機械式時計を使用していれば必ず生じる日差。保管時の置き方を工夫することで、これを改善することができるという。
2021年6月13日掲載記事
A:時計を保管するときの向きを変えることである程度調整することができます。
昔のものに比べて、正確になったと言われる機械式時計。しかしながら、クォーツ式ほど正確ではありませんし、物によってはまだまだ個体差も見られます。一般的に精度を改善したい場合は、メーカーに普段の使用状況を話して再調整をしてもらいます。例えば、デスクワークの多い人は進み傾向に、外に出かける人は遅れ傾向に、といった具合に歩度調整を行います。しかし再調整をしても、必ずしも精度が出るとは限りません。
では、再調整に出さずして精度を良くする方法はないのか。最も有効な方法は、保管するときに時計の向きを変えることです。機械式時計は、置かれた向きによって精度が大きく変わります。これを「姿勢差誤差」といいます。姿勢差誤差はやっかいなものですが、使い方によっては、1日の精度を調整する有用な手段になるのです。
姿勢差毎に精度が進み傾向なのか、遅れ傾向なのかは時計によって異なる。そのため、可能ならば歩度測定器で各姿勢の精度を調べたいところ。とはいえ流石に歩度測定器を購入するのは現実的ではない。歩度測定器の使用が不可能な場合は、実際に各姿勢で保管しつつ、精度を記録し、時計の傾向を掴んでいくしかない。根気と時計への愛が必要だ。
例えば、1日使って時計が進む場合は、遅れる方向で時計を保管すれば1日の遅れ角をうまく調整することが可能になります。一昔前は割と当たり前のテクニックでしたが、今でも有用なことに変わりはありません。
もし調整なくして時計の精度を合わせたい人がいるならば、時計の保管する向きを工夫してみること。意外と満足できる結果が得られるはずです。
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