パテック フィリップの幻のグリーンダイアルは誰の手に? アンティコルムが「ノーチラス 」の新作を出品

2021.07.17

時計専門のオークションハウス「アンティコルム」は、2021年7月21日(水)、モナコでライブオークションを開催する。その出品モデルの中でも特に注目したいのが、パテック フィリップが今年4月に発表した新作「ノーチラス」Ref.5711/1A-014だ。オリーブグリーンのダイアルを採用するRef.5711/1Aのファイナルモデルが今回初めてオークションに出品されるとあって、多くの時計愛好家や投資家の熱い視線が注がれることは間違いない。

ノーチラス

土井康希(クロノス日本版):文
Text by Kouki Doi(Chronos-Japan)
2021年7月17日掲載記事


注目の新作を早くも出品

 時計愛好家や投資家をザワつかせるニュースが飛び込んできた。時計を専門に扱うジュネーブのオークションハウス「アンティコルム」が開催するオークションに、パテック フィリップの2021年新作「ノーチラス」Ref.5711/1A-014が出品されるのだ。このオークションは迫る7月21日、モナコのカジノ広場にある高級ホテル「オテル・ド・パリ モンテカルロ」で行われる。

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パテック フィリップ「ノーチラス」Ref.5711/1A-014
丸みを帯びた8角形のベゼルが印象的な、パテック フィリップを代表する人気モデル「ノーチラス」の最新作。ステンレススティール製のRef.5711/1Aが生産終了になるという驚きのニュースとともに、このオリーブグリーンダイアルモデルが発表された。近年のトレンドであるグリーンカラーの採用による話題性と、生産終了間近という稀少性が相まって、この時計の価値は一層高いものになるだろう。自動巻き(Cal.26-330 S C)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SS(10~4時位置の直径40mm、厚さ8.3mm)。12気圧防水。定価は401万5000円(税込み)だが、現在は入手困難。

 オークションのタイトルは「IMPORTANT MODERN & VINTAGE MONACO AUCTION」。出品されるのはアンティークウォッチから新作までさまざま。時計以外にも工具やディスプレイスタンドなどもあり、幅広い。その多岐にわたる433アイテムの中で、ひときわ注目を集めているのが、パテック フィリップ「ノーチラス」の新作モデルである。


出品されるのは未開封品

ノーチラス

 2021年4月に開催されたウォッチズ & ワンダーズ ジュネーブ 2021において、パテック フィリップ社長のティエリー・スターン氏が、ノーチラスの現行モデル、Ref.5711/1Aの生産終了を発表したことは記憶に新しい。また、オリーブグリーンダイアルとステンレススティール製の外装を持つ、ノーチラス Ref.5711/1Aのファイナルモデルが登場し、時計愛好家を沸かせた。

 今回のオークションに出品される個体(ロット番号:152)は、とあるオーナーから委託されたという“極美品”だ。上の写真のように、パテック フィリップのロゴがプリントされた透明な袋でパッケージングされており、未開封品であることが分かる。もちろん証明書とボックスもそろっている。

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パテック フィリップ「ノーチラス」Ref.5711/1A-014
アンティコルム モナコオークション 出品モデル。ロット番号:152、状態:未開封品、付属品:証明書とオリジナルボックス、落札予想価格:6万〜18万USドル。

 このレアピースの出品について、アンティコルムのCEOを務めるロマン・レア氏は、次のようにコメントする。

「パテック フィリップのノーチラスは、今もなお時計の世界で偉大なベストセラーのひとつです。その中でも特に人気の高いモデルであるノーチラスのRef.5711/1Aを初めて今回のオークションで出品することができ、大変光栄に思っています。出品されるノーチラス Ref.5711/1A-014は素晴らしいコンディションの個体です。2021年に発表されて以来、すでに世界中で完売しています。また、F.P. ジュルヌやオーデマ ピゲ、ロレックスなどの素敵な作品も多数あり、合計433点が出品されます。今回のオークションが、これまでの記録を更新することは間違いないでしょう」

ノーチラス

オークション参加者には、この入手困難なノーチラスの未開封品を入手できる貴重な機会が提供される。

 さて、ここで誰もが気になるのが落札価格だろう。落札予想価格は6万〜18万USドル。日本円に換算すると約660万〜約1980万円(1USドル=110.02円、2021年7月16日現在)。しかし、予想外の結果を生み出すのがオークションの常であり、面白さでもある。実際には、この落札予想価格を大きく上回る結果が出るのではないかと期待されている。

 果たして、いくらで落札されるのだろうか? 2021年7月21日のオークション終了後、実際の落札結果が発表され次第、webChronosの記事で速報する。

今回のモナコオークションに出品される時計は、アンティコルムの公式ホームページに掲載されているため、事前にチェックしておくとよいだろう。

アンティコルムについて
「アンティコルム」は1974年にスイスのジュネーブで創業した、時計を専門とするオークションハウスである。97年には独自の品質評価システムを採用し、市場で評価を得た。本拠地のジュネーブだけでなくニューヨークと香港でもオークションを開催しており、世界各国に支社を持つ。また、オークションの開催に加え、時計関連の書籍も発行している。


Contact info: アンティコルム https://www.antiquorum.swiss/


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