世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は長年在籍したFCバルセロナを電撃退団し、パリ・サンジェルマンに移籍したサッカー選手のリオネル・メッシが着用するロレックスを紹介しよう。
Text by Yukaco Numamoto
2021年8月20日掲載記事
スペインのみならず歴史に名を残す名プレイヤー、リオネル・メッシ
21年間を過ごしたFCバルセロナからパリ・サンジェルマンFCへ移籍を発表したサッカー選手のリオネル・メッシ。涙の退団会見は世界中のファンの心を揺さぶるものとなった。クラブ歴代通算最多得点(672ゴール)の記録を誇るメッシが、2017年の来日時に着用していたロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスター」を紹介しよう。
ロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスター」
オイスター パーペチュアル ヨットマスターの誕生は1992年だ。「航海のための時計」と位置付けられ、セーリングやクルージングといったそれほど高い防水性能を求められない富裕層向けマリンスポーツウォッチとして登場した。当時のスポーツモデルとしては珍しく、ゴールドケースのみというラインナップでスタートしている。
ここでメッシのヨットマスターで着目したい点は、オイスターフレックス ブレスレットである。このオイスターフレックスブレスレットが登場したのは2015年で、ロレックス初のラバーストラップである。
上記の写真が撮影されたのは17年なので、いち早くスポーティーなラバーストラップのヨットマスターを入手していたことが分かる。メッシが装着しているRef. 116655が製造されていたのは15〜19年までの4年間で、19年以降は搭載ムーブメントをCal.3235に変更したRef.126655が販売されている。
ラバーだからと侮れないオイスターフレックス ブレスレット
外観上の変更はほぼないのだが、15年初出のCal.3235は3135の約90%のパーツが作り起こされており、新規特許は14件にのぼる。ヨットマスターの他、オイスター パーペチュアル シードゥエラー、オイスター パーペチュアル ロレックス ディープシー、オイスター パーペチュアル デイトジャストにも搭載されている。
自動巻き(Cal.3135)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18Kエバーローズゴールド(直径40mm)。100m防水。販売終了。
オイスターフレックス ブレスレットは、メタルブレスレットとは異なる魅力を放っている。極めて耐久性に優れる高性能ブラックエラストマーは柔軟性のあるチタン・ニッケル合金製ブレードを内包しているため、高い剛性を持つうえ、腕にジャストフィットするよう設計されている。
また、特徴的な機能としては「ロレックス グライドロック エクステンションシステム」が搭載されている点も挙げられる。これは工具を使わずにブレスレットの長さを約2.5mm単位で最大約15mm延長することができるものである。
ロレックスのSSや今作で採用する18Kエバーローズゴールドのような独自合金は耐蝕性と耐久性に優れるため、長い付き合いが可能だ。FCバルセロナにはカンテラ(バルセロナの下部組織)時代も含めると21年以上も在籍し、市民から愛されたことを考えると、気に入った人・場所・モノは末永く大切にするタイプなのかもしれない。ちなみに、妻は幼なじみでメッシが5歳の頃に出会っている。