Q:スウォッチ グループはなぜ時計業界で強いの?
スイス最大の時計グループにしてコングロマリットのスウォッチ グループ。スウォッチ グループの強みは、部品の製造と組み立て会社を多く擁していることです。こういったグループ内のサプライヤーをうまく使うことにより、戦略的な価格で、高い品質の時計を量産できるほか、これら部品メーカーの部品を他社に供給することで、スイスの時計業界に対して、大きな影響力を持つようになりました。
A:部品の製造と組み立て会社をグループ内に多く所有しているから
オメガやロンジン、ブレゲなどを擁するスウォッチ グループは、スイス最大の時計グループにしてコングロマリットです。もともとはオメガを主体とするグループと、ロンジンを主体とするグループが合体したもの。ニコラス・G・ハイエックの指揮下でリストラクチャリングに成功し、今や、数多くの時計メーカーを抱えるようになりました。現在、スウォッチグループに所属する時計メーカーは以下の通りです(太字は日本で展開しているブランド)。
・ブレゲ
・ハリー・ウィンストン
・ブランパン
・グラスヒュッテ・オリジナル
・ジャケ・ドロー
・レオン・アト
・オメガ
・ロンジン
・ラドー
・ユニオン グラスヒュッテ
・ティソ
・バルマン
・サーチナ
・ミドー
・ハミルトン
・カルバン・クライン
・スウォッチ
・フリック・フラック
スウォッチ グループの強みは、部品の製造と組み立て会社を多く擁していることです。その数は17社(電気関係の会社は除く)。その中には、エボーシュの供給会社として知られるETAや、世界最大級の脱進調速機メーカーであるニヴァロックス・ファー、文字盤メーカーのルバテル・エ・ワイエルマン、針メーカーのユニベルソ、ケースメーカーのシモン・エ・メンブレなどが含まれます。
スウォッチ グループは、こういったグループ内のサプライヤーをうまく使うことにより、戦略的な価格で、高い品質の時計を量産するようになったのです。好例は、ロンジン、ティソ、ハミルトンにラドーなどです。加えて、スウォッチ グループは、傘下にある部品メーカーの部品を他社に供給することで、スイスの時計業界に対して、大きな影響力を持つようになりました。
スウォッチ グループの寡占状態は続く
もっとも、スウォッチ グループの寡占的な立場に対して、他社は別の部品メーカーを買収したり、新たにメーカーを設立したりすることで対抗するようになりました。しかし、長年スイス時計業界を支えてきたスウォッチ グループの優位性は、当面揺るぎそうにありません。スイスの時計業界を影で支配するのが、スウォッチ グループの強みと言えるでしょう。
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