オメガは、スピードマスター ムーンウォッチとして知られる有名なクロノグラフをはじめ、数々のアイコニックな時計を生み出してきた。ここでは、時計ビギナーにも経験豊かなコレクター向きにも薦められる、手に取りやすい価格帯のオメガの腕時計5本を紹介していこう。
2021年9月29日掲載記事
スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター
1957年に発表された「スピードマスター」は、宇宙飛行と冒険の代名詞となっている。多くの偉大なアイコンと同様に、そのデザインは数十年の間ほとんど変わることがなく、それは今日ムーンウォッチが世界中で認知されているということの証しでもある。2021年初頭に更新されたフラッグシップモデルのスピードマスターは、ヘサライト(アクリル)またはサファイアクリスタル風防で覆われた特徴的なブラックダイアルに、トレードマークである細い時分針、スモールセコンドや、30分と12時間の積算計、そして特徴的なセンターのクロノグラフ秒針を備えている。タキメータースケールを備えたブラックベゼルは直径42mmのステンレススティールケースに取り付けられ、防水性能は50mである。
搭載される手巻きキャリバー3861は有名なキャリバー1861の後継にあたり、マスター クロノメーターを取得しているる。このムーブメントは長年にわたって何度もアップグレードされてきたが、NASAの宇宙飛行士が6度の月への飛行に伴ったものと基本的には同じである。
コンステレーション マスター クロノメーター
オメガは1952年に「コンステレーション」を発表した。実はこれは当初アメリカではグローブマスターという名前で知られていた。米国において商標権の問題があったためであるが、しかし1956年には解決された。
ジュネーブ天文台のドームがオメガの紋章のようなものとなったのは、この誕生の前年に同天文台で計時精度の記録を更新したばかりだったからだ。丸天井は世界の天文台においてオメガが打ち立てた偉業を示す8つの星に取り囲まれている。そこでは1931年にオメガがジュネーブ天文台において、全6部門すべての新記録を樹立した伝説の歴史も語られている。これが同一マニュファクチュールによって為されたのは、後にも先にもこの時のみのことだ。
1982年、オメガはコンステレーションから「マンハッタン」を発表した。現在ではおなじみとなった3時と9時位置に配された4つのグリフ(爪)を初めて採用したのはここからであり、これはサファイアクリスタル製風防を固定して、時計の防水性を確保する役割を持ったものであった。
2007年には、オメガ独自のコーアクシャル・キャリバーを導入した。このムーブメントは摩擦係数が低く、機械効率が高く、長時間にわたって優れた精度を保持する脱進機を搭載するものであった。その性能は、コーアクシャル・キャリバーを搭載したすべてのオメガの時計がC.O.S.C認定を取得していることからもうかがい知れる。
シーマスター アクアテラ マスター クロノメーター
シーマスター アクアテラはすっきりとした独特のラインを持つ、堅牢なタイムピースだ。「アクアテラ」シリーズの文字盤は、最高級のヨットに見られる美しいウッドデッキを思い起こさせる。
ステンレススティール製の直径38mmケースには、コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8800が搭載されれている。1万5000ガウスの耐磁性能を備えながら、トランスパレントケースバックから鑑賞が可能であることも魅力だ。
耐磁性インナーケースでムーブメントを保護した機械式時計は、オメガ以外にもいくつかのブランドから発売されている。オメガではムーブメントの主要部品に非鉄素材を採用することで、ムーブメント自体に耐磁性を持たせていることが特徴だ。スマートフォンやタブレット端末のケース、ブリーフケースの留め具、冷蔵庫のドアなど、私たちが磁石に遭遇する機会が増えている現在において、この要素は重要性を増している。
シーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーター
オメガのパフォーマンス性は宇宙だけでなく水中でも発揮され、この両分野においてパイオニア的存在である。1932年、オメガは「マリーン」を発表した。この時計はダイビング向けに徹底的に作り込まれた最初の時計として知られている。その初期の頃から、オメガの時計は多くの探検家の深海への旅に同行してきた。海洋生物学者であり探検家でもあるウィリアム・ビービは、世界初の有人深海調査として潜水球で水深923mを探査した際にオメガのマリーンを着用した。スキューバダイビングの発明者である海軍士官イヴ・ル・プリウールも同様であった。海洋学者のジャック=イヴ・クストーがオメガのシーマスター プロプロフを着用していたことはよく知られているし、ドルフィンマンとして知られるフリーダイバーのジャック・マイヨールも、記録的なダイビングの際にオメガ シーマスターを着用していた。
2005年、オメガは「プラネットオーシャン」シリーズを発表し、ダイバーズウォッチの展開を拡大した。スタイリッシュな「シーマスター プラネットオーシャン」は、オメガのダイバーズウォッチの伝統に敬意を表したモデルである。このモデルには逆回転防止機能付きのセラミックスのダイビングベゼルが直径43.5mmケースに備わっており、防水性能は600mを誇る。ヘリウムエスケープバルブは、真のプロフェッショナルダイバーズウォッチの証しである。
サファイアクリスタルケースバックからは、シリコン製のフリースプラングテンプと2重香箱を採用した、自動巻きキャリバー8900が鑑賞可能である。
デ・ヴィル プレステージ
どんなにハードな冒険者でも、時にはドレスウォッチを身につける必要がある。そんな時にふさわしい伝統的なセレクションをオメガは提供している。「デ・ヴィル プレステージ」シリーズは、ピュアでクラシックなスタイリングと、流行に左右されないラグジュアリーな外観が特徴だ。掲載モデルは、直径39.5mmのステンレススティールケースに、PVDブラックのサンブラッシュ仕上げのダイアルを備え、アリゲーターストラップを組み合わせている。傷のつきにくいサファイアクリスタル風防で保護し、30mの防水性能を保持する。
搭載される自動巻きキャリバー2500は、1999年に世界にデビューしたコーアクシャル・エスケープメント採用のムーブメントそのものであり、歴史的にも重要な意味を持っている。
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