アリゲーターとクロコダイル、何が違うの?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜

2021.10.03

Q:アリゲーターとクロコダイル、何が違うの?

同じ爬虫綱ワニ目に属する生き物ながら、アリゲーターはアリゲーター科、クロコダイルはクロコダイル科と全く別の科に属する生き物です。それぞれの種類と革の見分け方を紹介します。

広田雅将

2021年10月3日掲載記事

 

A:属する科が異なる、全く別の生き物

高級時計のストラップにふさわしい素材として挙げられるのが、アリゲーターやクロコダイルです。このふたつの素材は非常に似ており、関係者でさえも、ふたつを見分けるのは難しいのです。

そもそもアリゲーターとクロコダイルは、同じワニ目に属しながらも、全く別の科に属するもの。同じ食肉目に属する、ネコ科とイヌ科ぐらい違います。

以前は、アリゲーターの革はクロコダイルの革に比べて硬いと言われていましたが、今や違いはまずないと言って良いでしょう。一般的に、脇腹の部分が靴や財布に、尾の部分がカバンに、そして首の部分が財布や時計のベルトに用いられると言われています。革の素材となるアリゲーター科、クロコダイル科は以下のとおりです。

アリゲーター科

・アメリカアリゲーター:高価。ハンドバッグや財布向け。別名ミシシッピアリゲーター。
・クチビロカイマン:柔らかい素材
・メガネカイマン:高価。もっともよく利用されるアリゲーター素材
・クロカイマン:靴、ベルト、財布などに使用される部分は高価
・ブラジルカイマン:脇腹を使用
・コビトカイマン:脇腹を使用

時計ベルトに多く使われるミシシッピアリゲーターは、アメリカアリゲーターの別名です。

クロコダイル科

・オーストラリアワニ:突起背面を使用
・ナイルワニ:高価。民芸品に使用
・コビトワニ:民芸品に使用
・ニューギニアワニ:高価
・グアテマラワニ:高価
・イリエワニ:最高級のワニ革。別名ポロサスクロコダイル。突起背面も使用
・シャムワニ:高価。突起背面を使用
・ガビアルモドキ:突起背面を使用

最上級のクロコダイルと言われるのが、イリエワニことポロサスクロコダイルです。


クロコダイル革とアリゲーター革の見分け方

クロコダイル革

クロコダイル革を使ったマネークリップ。それぞれの「斑」に見える丸い点が穿孔である。

アリゲーターとクロコダイルの大きな見分け方が、「穿孔」という穴の有無。一般的に、クロコダイルの表皮には、ひとつから、最大で4つの穴が腑に空いています。もっとも、鞣し方や表面に吹くラッカーの厚みなどによって、穿孔が見えないものもあります。もっとも、素材としてのアリゲーターとクロコダイルには明確な優劣はないといってよいでしょう。


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