未来的なデザインと、技術的でありながら奇抜な時刻表示で人々を魅了し続ける独立系時計ブランド、それがウルベルクだ。2021年夏に発表された最新作、「UR-220 SL"アシモフ"」を紹介する。
2021年10月5日掲載記事
UR-220の時刻表示をスーパールミノバ®グレードX1 BLで実現
「UR-220 SL"アシモフ"」は、三大SF作家のひとりに数えられる巨匠アイザック・アシモフに捧げられた時計である。アシモフの主な代表作には『われはロボット』『ファウンデーション』などがあり、彼が小説内で説いた「ロボット工学三原則」は、小説の世界を飛び出して、現実のロボット工学に影響を与えたこともある。
「UR-220 SL"アシモフ"」は、ウルベルクがUR-220シリーズで3番目に手掛けたモデルだ。ウルベルクのチーフデザイナーであり、共同設立者であるマーティン・フライの推進力のもと、このモデルは素材、色、仕上げ、外観の様式において巧みな進化を遂げている。
最大の特徴は、蓄光のサテライトで時刻表示を行うことだろう。これを踏まえた上で、ウルベルクのCNC旋盤による精緻な加工が生み出すフォルムは、UR-220の既存作を凌ぐことを心に留めておいてほしい。
ブラックカーボンを基調に、UR-220 SL"アシモフ"は魅力的な明るいコントラストで時刻を表示する。時刻表示のパーツは蓄光性のアワートランスポーターであり、これはまずシリコンで型抜きされる。手作業で調整してシャープな形状に仕上げられたその硬度は、セラミックスに匹敵するという。この色味は、スーパールミノバ®グレードX1 BLによるものだ。この蓄光素材は暗所でグリーンの光を放つ。
サテライトとアワーマーカーは一体化している。この時刻表示の構造は、ウルベルクが特許を取得した針を使わない「ワンダリングアワー」(さまよう時間)方式がベースとなっている。ワンダリングアワーは、ウルベルクの技術力を物語っており、ブランドの根幹に根差したものである。
時間は3本の回転するアームによって表示される。時刻表示を担うアームには、分針の役割を果たす大きなポインターが重なり、それらは一体となって1時間で120度の分目盛りを移動する。次の時間になるとポインターは大きくジャンプして「0」に帰針し、次のアームと一体化するのだ。「このレトログラード方式の分表示は、おそらく現在ある腕時計の中でも最も圧倒的な存在だろう」とウルベルクは述べている。
また文字盤の1時半位置、10時半位置にはパワーリザーブ表示がある。ゼンマイの巻き上げ具合が分散されて表示されるのだ。このパワーリザーブ表示機構は83の部品数で構成されており、開発の複雑さを証明している。
裏蓋には「OIL CHANGE」と書かれたオイル交換インジケーターがあり、隣り合ったふたつの回転する数字がデジタル表示される。このカウンターを始動させるのは着用者で、保護ピンを外して、プッシャーを操作する。
するとカウンターが始動し、ムーブメントが作動していた期間(月単位)を表示する。39カ月(3年と3カ月)経つと、時計をメンテナンスサービスに出した方が良いということになる。39カ月経つとカウンターは0となる。保護ピンはウルベルクによって交換される。
これらの機械を収めるのは、樹脂で圧縮された81層のCTPカーボンからなる超軽量のカーボンケースであり、サファイアクリスタル製風防が文字盤を保護する。そしてケースバックはサファイアクリスタルを組み込んだブラックDLCチタン製で、トランスパレント化された2カ所の開口部からムーブメントを鑑賞できるようになっている。ブラックDLC加工のバックルと着脱容易な面ファスナーバックルが装備されたラバーストラップが組み合わされ、ブラックの精悍なコーディネートが完成している。
ウルベルク 公式サイト https://www.urwerk.com/
https://www.webchronos.net/features/10164/
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