「グランドセイコー ファイン ビンテージウオッチ」をご存知だろうか。これは、全世界のグランドセイコー取扱店の旗艦である和光が展開する新たなサービスであり、端的に言えば「購入できるミュージアムピース」という表現が適切だろう。銀座・和光本館の2階に並ぶ、レアピースの数々をご堪能あれ。
Text by Kouki Doi(Chronos-Japan)
2021年10月15日掲載記事
和光 本館2階に並ぶ「買えるミュージアムピース」
銀座のシンボルとも言うべき和光。2020年にリニューアルした1・2階の「グランドセイコーブティックフラッグシップ和光」は、全世界に展開するグランドセイコー取扱店の旗艦店であり、ブランドの世界観を表した特別なブティックだ。
高い天井が広がり、太い柱を囲むように配置された円形のショーケースが並ぶ1階には、グランドセイコーの豊富なラインナップがディスプレイされており、グランドセイコーに関しては国内随一の品ぞろえを誇る。2階には、オーナーの住空間をイメージした、落ち着いたラウンジスペースが広がっている。
貴金属素材を用いたものや限定品など、現行の高価格帯モデルが常時並ぶほか、貴重な資料や模型などが展示されるライブラリーも設置されており、グランドセイコーの歴史を感じられる、ラグジュアリーな店内だ。
このバーカウンターの一角に並ぶのが、今回紹介する「グランドセイコー ファイン ビンテージウオッチ」である。その名前が示すように、グランドセイコーのビンテージウオッチを対象とするもので、1960〜70年代初頭に製造され、機械式ムーブメントを搭載したモデルに限定されている。
非常に状態の良い個体を、グランドセイコーの修理やメンテナンスを担う「グランドセイコーサービススタジオ」で、グランドセイコー専門の修理技能士によってオーバーホールや調整が行われたものを店頭で販売している、といった内容だ。
ここに並ぶ個体に共通するのは、新品と遜色ないと言っていいほどコンディションが良好であるということ。美しい61GS V.F.A.や、56GS、45GSなどが並ぶ姿は、もはやセイコーミュージアムを見学しているかのようだ。ミュージアムピースとも呼ぶべきものを、実際に購入できる機会は極めて少ないだろう。
ムーブメントはもちろん、外装についてもポリッシュなどを施して当時の販売時のコンディションレベルまで復元されている。その中でも、コンディションが良好で外装に手を加えていない個体も多い。和光の販売員の方は、「当時のままのものを実際に所有することで、グランドセイコーの本質は当時から変化していないということを、お客様に身をもって感じていただきたい」と話す。
さて、ここで気になるのは価格だろう。前提として、グランドセイコー ファイン ビンテージウオッチは世間に流通しているビンテージウオッチと比較して決して安くはない。具体的な価格については、モデルやコンディションによっても大きく異なるためここでは言及しない。しかし、1年間の販売店保証が付帯することも含め、価格以上の価値を見出せる要素は十分にあると、実機のコンディションを見て感じた。
なお、グランドセイコー ファイン ビンテージウオッチが並ぶのは和光のみ。2020年の12月下旬から始まったこのサービスだが、現時点で広く知られていないのは、開始直後に一度の新聞広告くらいでしか告知していないから。興味を持たれた方は、和光の2階に並ぶレアピースの数々を狙ってみてはいかがだろうか。
グランドセイコーブティックフラッグシップ和光
【所在地】東京都中央区銀座 4-5-11 和光 本館1・2階
【営業時間】10:30〜19:00
【電話番号】03-3562-2111(代表)
Contact info: 和光 Tel.03-3562-2111(代表)
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