世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は「007」シリーズでのジェームズ・ボンド役を務め、最新作の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」で降板するダニエル・クレイグの着用するオメガ「シーマスター アクアテラ」を紹介する。
Text by Yukaco Numamoto
2021年10月24日掲載記事
ワールドプレミアでダニエル・クレイグが選んだ時計
15年間にわたって務めた「007」シリーズでのジェームズ・ボンド役から最新作の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」で降板するダニエル・クレイグ。ロンドンで開催されたワールドプレミアはチャールズ皇太子、カミラ夫人、ウィリアム王子、キャサリン妃といったロイヤルファミリーも参加するゴージャスなイベントだった。この時にクレイグが着用していたオメガ「シーマスター アクアテラ」を今回は紹介しよう。
オメガと007シリーズの関わりが深いことは時計愛好家、または映画愛好家なら周知のことだろう。そしてダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドと英国ロイヤルファミリーの関わりも深い。2012年のロンドンオリンピック開会式ではエリザベス女王とダニエル・クレイグの共演が世界を熱狂させた。その後、エリザベス女王は晩餐会にクレイグと妻のレイチェル・ワイズを招待し、会食中には女王の“女優デビュー”を楽しく振り返ったというエピソードもあった。
さらにボンドが劇中で着用するシーマスターは第二次世界大戦中にR.A.F(イギリス空軍)に供給されていたパイロットウォッチがルーツにある、英国王室にとっても縁が深い存在だ。
そして、現在もロイヤルファミリーにはシーマスターを愛用する人物がいる。どんな瞬間にもシーマスターを着用しているウィリアム王子だ。今回の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のワールドプレミアでもウィリアム王子はシーマスターを着用していた。ちなみに、このシーマスターはダイアナ妃から贈られたものだというから、長年大切にしているのも納得だ。
チャールズ皇太子、カミラ夫人、ウィリアム王子、キャサリン妃という顔ぶれが参加し、世界中が注目するワールドプレミアでダニエル・クレイグが選んだ1本はオメガ、英国王室、そしてジェームズ・ボンドとのすべての関係に敬意が表れた「シーマスター アクアテラ」だった。
ジェームズ・ボンド役として過ごした15年間はダニエル・クレイグにとってどういった時間だったのだろうか。英国王室ご用達のサヴィル・ロウのテーラー衣装、英国にルーツを持つシーマスターを身に着けてロイヤルファミリーと談笑する姿はさながら本物のジェームズ・ボンドだった。
オメガ「シーマスター アクアテラ」
ワールドプレミアでも視線が集まったアクアテラは、コーアクシャル脱進機を採用し、マスター クロノメーターの認定を受けた自動巻きムーブメント、Cal.8901を搭載している。1万5000ガウスという超高耐磁性能を持ち、防水性能も150mある実用性の高い時計である。エレガントな見た目と18Kセドナゴールドのカラーリングがラグジュアリーな雰囲気と色気を醸し出している。
自動巻き(Cal.8901)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kセドナゴールド(直径41mm)。150m防水。386万1000円(税込み)。
ダニエル・クレイグが着用しているモデルのケースサイズは直径41mmであると考えられる。178cmと平均的な身長であるが、しっかりと鍛えられたダニエルの腕回りとのサイズバランスが品の良い印象を与える。今回はベルベットのジャケットにコーディネートされていたが、ベーシックなブラックタイのタキシードにももちろん映えることだろう。