2019年にエマニュエル・ギョエが文字盤をデザインしたクォーツモデル、その後2020年にアレキサンドル・ペラルディが文字盤デザインを手掛けた自動巻きモデルに続き、アイクポッドは200mの防水性能を備えたダイバーズウォッチ「シーポッド」を打ち出した。海にまつわる人物の名前をペットネームに用いた3つのリファレンスがある。
2021年11月10日掲載記事
アイクポッド初のダイバーズウォッチ、デザイン担当はファブリス・ゴネ
スイスの時計ブランド「アイクポッド」は、ジャガー・ルクルトのアトモスクロックや、フランスの名門トランクメーカー、ルイ・ヴィトンのラゲージに21世紀の息吹を吹き込んだ「ホライゾン」などを手がけたオーストラリアの有名デザイナー、マーク・ニューソンがオリバー・アイクと1994年に立ち上げたブランドである。
アイクポッドは20年以上にわたり、シンプルな2針から複雑な永久カレンダーまで、数多くのモデルを販売してきた。多くのモデルがチタン製ケース(一部はプラチナ製)に機械式ムーブメントを内蔵しており、丸みを帯びたケースにはブランド特有の針が取り付けられていた。
しかしアイクポッドは、デザイナーの評判や製品の美しさにもかかわらず大きな成功を見たことがなかった。その一因に、時計の販売価格があまりにも高かったという理由があっただろう。ブランドは時計史の中にうずもれてしまうかという残念な状況にあった。
幸いなことに、時計はファッションと同様に再生する可能性を秘めている。2018年、アイクポッドは参加型の資金調達により、キックスターキャンペーンを行って再び舞台前面に躍り出た。
当然ながらこの復活は成功を収めた。それ以来、クォーツモデル(主にエマニュエル・ギョエによるデザイン)と、機械式モデル(主にアレキサンドル・ペラルディによるデザイン)によってラインナップを充実させてきた。そして2021年、ジュネーブ・ウォッチ・デイズにおいて、アイクポッドは新たにダイバーズウォッチ「シーポッド」をお披露目したのである。デザインを手掛けたのはファブリス・ゴネ。イゼック・スタイリングでヨルグ・イゼックに師事しカルティエ、エベル、ブレゲ、タグ・ホイヤー、ダミアーニなど有名時計ブランドのプロジェクトに参加してきた人物である。
人間工学に基づいて設計された角のない丸いケースは、多くの人の手首にぴったりとフィットし、一目でアイクポッドの時計と分かる特徴的なデザインを備える。その全てが、手の届きやすい価格帯に収まっている。
3つのリファレンス(ゼール、ジャック、フランソワ)はそれぞれに200mの防水ケース、心地よい操作音を伴う逆回転防止機能付ベゼル、そしてねじ込み式リュウズを備えている。またベゼルはケースと完全に一体化しており、刻みがないにもかかわらず、簡単に操作できるようになっている。デザイン的にも技術的にも、良い仕上がりだ。
針はアイクポッドのスタイルを踏襲しており、暗所でも視認性の高い文字盤に大ぶりのインデックスと合わせて配されている。
ケースはステンレススティール製であり、そのうち1種類にはブラックPVD加工が施されている。ベゼル上の表示には蓄光塗料が塗布されている。ムーブメントは約42時間のパワーリザーブを備えたミヨタ9039だ。尾錠が付属したシリコン製ストラップが、全体をまとめ上げている。
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