プロ野球界初の文化勲章を受章した“ミスタープロ野球”長嶋茂雄が愛用するピアジェの時計

世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は11月3日に文化勲章を受章した読売ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄氏。“ミスタージャイアンツ”、“ミスタープロ野球”の愛称でも親しまれる長嶋終身名誉監督が、2013年に国民栄誉賞を受賞した際に着用していたピアジェの時計に注目する。

沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
2021年11月8日掲載記事


多くの野球ファンにとって忘れられないシーン

 文化の日である2021年11月3日、天皇陛下から文化勲章の親授式が皇居・宮殿で行われた。プロ野球読売ジャイアンツの長嶋茂雄終身名誉監督はモーニング姿で車椅子に乗って出席し、陛下から勲章を受け取ると深々と頭を下げた。授章理由には東京オリンピックの聖火リレーに参加し、開会式を盛り上げたということも含まれているとのことだったが、やはり長年に渡るプロ野球界への貢献が最たるものだろう。

 これまで華々しい記録を作り、数々の栄誉ある賞を受賞してきた長嶋監督。今回はその中でも特に笑顔が輝いている13年の国民栄誉賞授与式の際に着用していたピアジェに注目したい。

長嶋茂雄 国民栄誉賞

Photograph by Kyodo News
2013年5月に東京ドームで開催された国民栄誉賞授与式でのワンシーンだ。長嶋茂雄終身名誉監督は04年に脳梗塞で倒れて以来、球場でファンに向かって肉声でのスピーチを行ったのはこの日が初で、ファンの胸を熱くさせた。説明は不要かもしれないが、ユニフォームを手渡しているのが安倍晋三元首相、中央が松井秀喜氏、そして右が長嶋茂雄監督だ。

 監督時代の教え子である松井秀喜氏と師弟そろってのダブル受賞を果たした国民栄誉賞。その表彰式に先駆けて、読売ジャイアンツの公式戦前に東京ドームで行われた松井秀喜引退セレモニーでは両者からのスピーチが披露され、特注のオープンカーに乗り、場内を一周してファンの声援に手を振って応えた。

 安倍晋三元首相が第96代の内閣総理大臣を務めたことに因んだ「96」のユニフォームを贈呈されているシーンは3人の笑顔が微笑ましい。この後開催された始球式では松井氏がピッチャーを務め、「4番、サード、長嶋茂雄、背番号3」のコールで登場した長嶋監督は果敢にフルスイングで応じた。

 ちなみにキャッチャーは原監督、球審は安倍元首相という豪華な組み合わせだった。この日があったからこそ、TOKYO2020の開会式に長嶋氏と松井秀喜がそろって登場した聖火リレーのシーンは多くのファンの感動を呼んだのではないだろうか。