2016年に設立されたフランスデザインのスイス時計ブランド、レゼルボワールは、ダッシュボードや計測器からインスピレーションを得た特徴的なコンプリケーションで時刻を表示する。同ブランドがこのたび新たに発表したのは、1950年代の伝説的な自動車356スピードスターのスピードメーターを彷彿とさせる新コレクション「カニスター」だ。
2021年11月24日掲載記事
356スピードスターのスピードメーターからインスピレーションを得た新モデル
レゼルボワールの今回の新作の詳細に入る前に、カニスターの名前が20リットル入りのステンレススティール製ガソリン容器を表すドイツ語に由来することを伝えておきたい(後年プラスチック製となった)。またレゼルボワールのロゴは、ジェリカンの側面のデザインがモチーフでもある。
この容器が発明されたのは戦前の1936年、ドイツにおいてだった。最初に採用したのは第2次世界大戦中のドイツ国防軍で、その後世界中の軍で使われることとなった。
新作カニスターは、ドイツ車として有名な356スピードスターにオマージュを捧げるものである。この自動車はフェルディナンド・ポルシェがビートルをベースに設計し、1948年から1965年まで量産されたものであった。
このスピードスターは、1954年末にアメリカの輸入代理店であるマックス・ホフマンの要請により製作されたもので、アメリカ市場向けに356をより安く、よりスタイリッシュにしたいという要望に応えたものである。ちなみにこれは、ジェームズ・ディーンが初めて出演した映画のギャラで最初に購入したものとしても知られている。
レゼルボワールの通例に違わず、カニスターは機械の世界、それもカウンターや計器、圧力計などから着想を得ている。本モデルの場合、356スピードスターのスピードメーターの機能的な様式を取り入れ、新しい時間の読み方を提案している。
本モデルは、ポリッシュ仕上げの直径41.5mmグレード5チタンケース、50mの防水性能、ねじ込み式リュウズを備えている。ブラックダイアルには、25から45にかけてパステルグリーンが、50まではレッドゾーンが配されている。全体をまとめるのは白色の針だ。ジャンピングアワーは6時位置のパワーリザーブのすぐ上に表示され、サファイアクリスタル製風防に覆われている。
一般的にレゼルボワールの時計には3つのコンプリケーションが見られる。タコメーターや圧力計、水深計の機能性を彷彿とさせる240度に展開するレトログラードミニッツ、走行距離計を思わせるジャンピングアワー、そして燃料計のゲージを模したパワーリザーブ表示である。
ムーブメントに関しては、レゼルボワールは汎用ムーブメントであるETA製エボーシュムーブメントを採用している。本モデルも自動巻きキャリバーETA 2821-2をベースに、特許を取得した124パーツからなるモジュールを搭載しており、サファイアクリスタル製ケースバックから鑑賞することができる。
時計本体にはブラックステッチの効いたレザーストラップが組み合わされ、尾錠が取り付けられている。工具を使わずにストラップ交換が可能になる機能も付加されており、3本のレザーストラップがスペアとして用意されている。
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