アメリカ・ニューヨークの時計店「ブヘラ 1888 タイムマシン」が2021年秋にグランドリオープンした。大規模な改装を行ったばかりのこの建物は、アメリカ最大の時計小売店トゥルノーからブヘラへと名前を変えて誕生したものであり、ウォッチ、ジュエリー、ファッションの各専用エリアで構成されている。この改装を記念した目玉商品となるのが「ブヘラ ブルー」エディションの腕時計だ。ブヘラのヨーロッパのブティックでは定番となっているこのブルーモデルの数々は、アメリカでも熱心なファンを獲得するに違いない。ここでは、そんなニューヨーク旗艦店のオープニングでお披露目なった7本のブヘラブルーの腕時計を紹介する。
Text by Mark Bernardo
2021年12月1日掲載記事
カール F. ブヘラ「ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ブヘラ ブルー」
小売りブランドのブヘラと、時計ブランドのカール F. ブヘラは、どちらもブヘラ家3代目であるオーナー兼取締役会長ヨルグ・G・ブヘラが率いるブヘラグループの傘下企業である。カール F. ブヘラは、この「ブヘラ ブルー」シリーズに、グラデーションの文字盤が印象的な「ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ブヘラ ブルー」を加えた。スイス・ルツェルンのアーカイブから発見された1950年代製クロノグラフにインスパイアされたこのモデルは、直径41mmのステンレススティールケースに年次カレンダーとクロノグラフを搭載している。年次カレンダーは12時のインデックス近くにあるビッグデイト表示と、4時半位置に傾斜して配置された月表示で構成されている。文字盤には、注射器の形をした針、ヴィンテージスタイルのアラビア数字、細長いクロノグラフプッシャーなど、歴史的に裏打ちされたディテールが施されている。ムーブメントにはETAべースの自動巻きキャリバーCFB 1972を搭載し、約42時間のパワーリザーブを保持する。創業者カール・フリードリッヒ・ブヘラが1888年に最初の時計宝飾店をルツェルンにオープンしたことにちなんで、合計188本のエディションとして製作された。このうち30本のサファイアクリスタルケースバックには、「ブヘラ 1888 タイムマシン」内に新しいブティックを開いた記念に、ニューヨークの地平線のシルエットを刻印。これは1930年にトゥルノーの最初の店舗がニューヨークにオープンしたことにちなんでいる。
ブライトリング「ナビタイマー クロノグラフ 41 ブヘラ ブルー」
「ナビタイマー クロノグラフ 41 ブヘラ ブルー」は、世界で最もアイコニックなパイロット クロノグラフのひとつであるナビタイマーに、鮮やかなブルーの文字盤を採用している。直径41.0mmのステンレススティールケースと、航空用の回転計算尺が備わった象徴的な両方向回転ベゼルの組み合わせだ。12時・9時・6時位置にはサブダイアルが、3時位置には日付表示が配され、時分針にはスーパールミノバが塗布されている。ねじ込み式のソリッドケースバックの内側に収められたCal.ブライトリング13はC.O.S.C.公認クロノメーターに認定されており、片巻き上げのボールベアリングを採用したローターによって約48時間以上のパワーリザーブを保持している。凸型のサファイアクリスタル製風防は両面に無反射加工が施されており、アリゲーターストラップのブルーが文字盤の色調と調和している。
ブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ ブヘラ ブルー」
「フィフティ ファゾムス バチスカーフ ブヘラ ブルー」のブルーの色調は、この時計の長年にわたる海洋世界とのつながりを想起させる。オリジナルモデルは1956年に民間ダイバーのために作られたミリタリースタイルのダイバーズウォッチだ。直径43.60mmのケースと逆回転防止ベゼルはサテン仕上げのブルーセラミックスインサートを使ったグレーセラミックス製で、300mの防水性能を備える。サンバースト仕上げのダークブルーダイアルには、蓄光塗料が施されたアワーマーカーとセンターの時分針が配され、ヴィンテージの雰囲気を醸し出している。また4時半の位置の小窓には日付が表示され、中央の長い秒針は先端が赤く彩られている。搭載されるムーブメントは自動巻きキャリバー1315だ。ヒゲゼンマイはシリコン製で、3つの直列結合された香箱は、約5日間にわたり安定したエネルギーの供給を行っている。このムーブメントはサファイアクリスタルケースバックから見ることができる。
ジラール・ペルゴ「ロレアート アブソルート ライト ブヘラ ブルー」
ジラール・ペルゴの「ロレアート アブソルート ライト ブヘラ ブルー」は、ロレアートのアイコニックな8角形のベゼルを、サファイアクリスタルの塊から約300時間かけて生成、削り出し、研磨して作られた直径44mmのケースによって、アバンギャルドな領域にまで高められている。世界限定18本のこのモデルでは、ブヘラ ブルーの色調が繊細に取り込まれている。ベゼルと同じ8角形の地板と、透かし彫りのムーブメントのベースにはブルーのPVDが施されている。キャリバーGP01800-1652のスケルトナイズされたブリッジにもブルーの色が使われており、その機械的なディテールがシースルーケースからの光を受けて浮かび上がる。チタン製のラグは、2021年に発表された新素材であるチタンを注入したFKM ラバー合金のストラップに接続されている。
ロンジン「ロンジン スピリット」
ロンジンは、20世紀初頭にアメリア・イアハートやハワード・ヒューズなどの先駆的な飛行士のために製作した時計への現代的なオマージュとして、2020年に「スピリット」コレクションを発表した。ブヘラ ブルーシリーズの最初のモデルは、3針モデルとクロノグラフモデルで、どちらも滑らかなブラックDLCケースに、ロンジンが時計製造の最高品質を示すために歴史的に採用してきた5つの星を、ブヘラ ブルーのアクセントを付けてブラックダイアルに施し、モノトーンの外観とのコントラストを生み出している。3針モデルは直径40.0mmのケースにC.O.S.C.認定クロノメーター取得のキャリバーL888.4を搭載し、約72時間のパワーリザーブと耐磁性のあるシリコン製ヒゲゼンマイを備えている。ブラック&ブルーのカラーリングの他に、他のスピリットコレクションの3針モデルとの違いは、日付窓を排してすっきりとした文字盤デザインになっていることだ。クロノグラフモデルは直径42.0mmとやや大きめで、コラムホイール式のクロノグラフ機能を備えたC.O.S.C.認定クロノメーター取得のキャリバーL688.4を搭載している。
オリス「アクイス デイト」
オリスは近年、アクイス デイト ダイバーズウォッチをキャンバスにして、数多くの大胆なカラーバリエーションを展開してきた。その最新作のひとつが、サンレイ仕上げのシャイニーブルーの文字盤と、同じブルーの交換可能なラバーストラップが組み合わされた「オリス アクイス デイト ブヘラ ブルー」である。オリスで最も人気のあるモデルのひとつであるアクイス デイトは、ステンレススチール製の直径43.5mmケースで、300mの防水性能を誇る。逆回転防止ベゼルには、ダイビングスケールが浮き彫りにされたステンレススティール製のインサートが付いており、リュウズは肩のようなリュウズガードに保護されてケースにしっかりとねじ込まれている。
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