チューダーの定番コレクション
ブランドの誕生から現在まで、チューダーは多様な時計をリリースしている。特に人気が高い定番コレクションをチェックしておこう。
伝統と革新の象徴「ブラックベイ」
チューダーの現行モデルで最も人気を集めているのが、2012年に登場したスポーツコレクション「ブラックベイ」だ。
初代モデルのRef.79220は、過去のチューダー スポーツモデルが持つ特徴を継承しつつ、現代風のアレンジも加えられている。スノーフレーク針やベゼルのデザインといったブランドの特徴を受け継ぎ、かつて使用していたローズのロゴも復活させた。
その後、2016年発表のRef.79230ではロゴのデザインをローズから盾に戻し、ムーブメントには自社製のCal.MT5602を採用。その後も新作が発表されるたびに大きな話題となるコレクションだ。
レトロでスポーティーな「チューダー ロイヤル」
「チューダー ロイヤル」は、2020年に発表された新しいコレクションである。1950年代に使われていたモデル名を復活させ、レトロかつスポーティーな時計として誕生した。
1970年代に採用されていた一体型の5列リンクブレスレットが、デザインにおける大きな特徴だ。快適な装着感を実現しつつ、スポーティー&エレガントな雰囲気も醸し出している。
ポリッシュとカットワークが交互に施されたノッチ入りベゼルも、ブランドの個性を体現している要素のひとつといえよう。文字盤は豊富なバリエーションから選択が可能だ。
冒険のシンボル「ペラゴス」
チューダーの発展を支えた名機「サブマリーナー」の系譜を継ぐダイバーズウォッチが、「ペラゴス」である。世界各地でテストを実施し、優れた性能を備える実用時計として誕生した。
ヘリウム排出バルブを搭載することで、500mもの防水性能を実現している。ケースとブレスレットに使われているチタンは、軽量かつさびにくい素材だ。ダイビング中にブレスレットの連結部が自動で収縮・拡張される機能も特徴的である。
現在のペラゴスでは、ムーブメントに約70時間のパワーリザーブを誇るCal.MT5612やCal.MT5602を採用している。
愛好家に支持される生産終了コレクション
数多くのモデルを展開し続けてきたチューダーだが、なかでも「クロノタイム」と「サブマリーナー」は、既に生産が終了していながら現在も高い人気を獲得し続けているコレクションだ。それぞれの特徴や魅力を解説していこう。
今なお評価される「プリンス オイスターデイト」
チューダーが2003年まで約30年間生産していた「プリンス オイスターデイト」は、力強いデザインで支持を集めていたスポーツクロノグラフのコレクションだ。
ロレックスの「コスモグラフ デイトナ」に匹敵する高い完成度を備えつつ、汎用ムーブメントを搭載することでリーズナブルな価格を実現していた。
約30年にわたる生産期間中、クロノタイムは数回のモデルチェンジを実施した。アメリカ人プロゴルファーのタイガー・ウッズとのコラボモデルは、現在も高い人気を集めている。
豊富なバリエーションを持つ「サブマリーナー」
チューダーの人気を確固たるものにしたコレクションが「サブマリーナー」である。こちらもリーズナブルな価格設定だったことから、大きな需要を生んでいた。
チューダーのサブマリーナーには、シンプルなステンレススティールモデルにもブルーダイアルのモデルがラインナップされており、大きな魅力となっている。
ケースサイズの種類や文字盤のデザインやカラーの種類が豊富なことも特徴だ。ロレックスのサブマリーナーは1サイズのみの展開だが、チューダーならより小さめのサイズを選択できる。
チューダーの人気モデル
チューダーを代表するコレクションから、人気モデルを確認しておこう。いずれもブランドの魅力が余すところなく詰め込まれた時計である。
ブラックベイ Ref.M79230N-0009
自動巻き(Cal.MT5602)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。200m防水。43万1200円(税込み、2021年12月現在)。2022年1月1日からの新価格:44万3300円(税込み)。
「ブラックベイ(Ref.M79230N-0009)」は、チューダーの伝統と革新性を併せ持つブラックベイ コレクションの2016年発表モデルだ。全体のデザインやダイアルの形状は、往年のダイバーズウォッチから着想を得ている。
リベット付きのステンレススティール製ブレスレットは、1950~60年代のスポーツ系モデルに採用されていたもので、チューダー独自の段差が施されている。
ムーブメントには約70時間のパワーリザーブを誇るCal.MT5602が組み込まれている。1958年のRef.7924で採用されたリュウズ「ビッグクラウン」が備えられている点も特徴的だ。
チューダー ロイヤル Ref.M28600-0005
自動巻き(Cal.T603)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径41mm)。100m防水。26万2900円(税込み、2021年12月現在)。2022年1月1日からの新価格:26万9500円(税込み)。
2020年に発表された「チューダー ロイヤル」には、豊富なバリエーションの文字盤が用意されている。そのひとつ、Ref.M28600-0005は文字盤がブルーに彩られたタイプである。
ポリッシュ仕上げとカットが交互に施されたノッチドベゼルが美しい。なめらかな質感に仕上げられた一体型ブレスレットにより、快適な着け心地を得られるだろう。
レトロかつスポーティーなデザインは、近年の時計業界で大きな注目を集めているラグスポを思わせる雰囲気だ。コストパフォーマンスも申し分ない。
ペラゴス Ref.M25600TB-0001
自動巻き(Cal.MT5612)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ti&SS(直径42mm)。500m防水。52万1400円(税込み、2021年12月現在)。2022年1月1日からの新価格:53万9000円(税込み)。
「ペラゴス(Ref.M25600TB-0001)」はブルーの文字盤を備えたモデルである。ブレスレット素材には、さびにくくダイビング中でも負担にならない軽量なチタンが使われている。
500mの防水性能やC.O.S.C.認定の自社製ムーブメントCal.MT5612など、実用時計として優れた性能を備えたモデルである。独自開発のブレスレット延長システムが搭載されている点も特徴的だ。
付属のラバーストラップには伸縮機能が備わっており、使い分けることで潜水条件を問わずに活用できるだろう。左利き用が用意されているのもポイントである。
独自路線を歩み始めたチューダー
今やチューダーは独自の路線を歩み、実用時計としての信頼性や質実な価格が大きな魅力となっている。
ブラックベイやチューダー ロイヤルといった現行モデルだけでなく、クロノタイムやサブマリーナーといった生産終了コレクションも根強い人気を誇っており、今後もチューダーの動向からは目が離せない。
https://www.webchronos.net/features/55558/
https://www.webchronos.net/features/50457/
https://www.webchronos.net/specification/70833/