日付や曜日が付いた時計(カレンダーウォッチ)には、どんな種類があるの?

2021.12.10

Q:日付や曜日が付いた時計には、どんな種類があるの?

一般的なのが最もシンプルな日付のみのもの。より複雑なものでは日付+曜日のデイデイト、そして自動で月末の調整を行ってくれる年次カレンダーや永久カレンダーなどがあります。

広田雅将

2021年12月10日掲載記事

A:日付のみから月末の自動調整機能付きまで多種多様

時間を示すための腕時計には、日付や曜日など、カレンダー機能の付いたものがあります。一般的なのは日付のみのもの。自動巻き時計やクォーツ時計に見られるものです。一般的に、手巻き時計に日付表示は付けませんが、主ゼンマイの駆動時間が2日以上と長いものには載せている場合があります。

日付だけでなく、曜日表示も持つのが、いわゆるデイデイト。ロレックスの「オイスター パーペチュアル デイデイト」が有名ですが、10万円台の価格帯でもしばしばみられます。

複雑なのが、いわゆる年次(アニュアル)カレンダーと呼ばれるもの。これは日付用付きのデイデイトをベースに、2月末以外のカレンダー調整を自動的に行うものです。パテック フィリップが開発したこの新しいカレンダーは、時計が止まらない限り、ほとんどのカレンダー調整が必要ないものです。現在は、パテック フィリップだけでなく、オメガなども採用しています。

パテック フィリップ年次カレンダー Ref.5035

Photographs by Masanori Yoshie
パテック フィリップは1996年に年次カレンダーを開発。これは当時、同社のカレンダーウォッチがシンプルなものと、複雑な永久カレンダー搭載機との二極化が進んでおり、そのギャップを埋めるためだったという。写真は1996年初出の年次カレンダー Ref.5035。自動巻きのCal. 315に、独自設計のモジュールを加えることで年次カレンダー化を果たしている。


お勧めは年次カレンダーまで。永久カレンダーは上級者向け

これよりさらに複雑なのが、2100年まで2月末のカレンダー調整も自動的に行う、永久(パーペチュアル)カレンダーです。非常に洗練されたカレンダー機構ですが、止まってしまうと調整が難しく、仮に壊れた場合は修理費用も高く付きます。こういった問題を解決したのが、IWCの永久カレンダーです。リュウズを回すだけですべてのカレンダーを早送りできるため、時計が止まっても安心してカレンダーを調整できます。

普通に使うならば、お勧めは年次カレンダーまで。もし予算に余裕があり、時計の扱いに自信がある人ならば、永久カレンダーをどうぞ。なお、年次カレンダー以上の時計を買う場合は、自動巻きのゼンマイを巻き上げてくれる、ワインダーも買うことをお勧めします。


時計機構論/カレンダー機構 第1回「カレンダー時計」

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年次カレンダー概論。歯車型とレバー型を徹底比較

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語るべき点が多い、至高のパーペチュアルカレンダー5選

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