9000円から数百万円まで！ ISHIDA新宿に見る、時計専門店の奥深さ

2021.12.17

3ブランドのみが置かれるラグジュアリーな3階

ISHIDA新宿 3階

ヴァシュロン・コンスタンタン、IWC、ゼニスの3ブランドのみがディスプレイされる3階。それぞれが広々とした売り場を持つ3階および4階は特にラグジュアリーな空間が演出される。

　3階は、ぐっと変わってラグジュアリーなフロアだ。並ぶのは、ヴァシュロン・コンスタンタン、IWC、ゼニスの3ブランドのみ。壁を作らず調和された空間として作り上げたフロアは、専門店だが、ブティックのような雰囲気を持つ。ISHIDA新宿はIWCが強いショップだが、最近ではヴァシュロン・コンスタンタンの問い合わせが増えているとのこと。時計専門店としては最大級のヴァシュロン・コンスタンタンのコーナーには、30本の時計が並ぶ。

石田充孝代表取締役社長が語った、ISHIDA新宿リニューアルのコンセプトはこちら
社長に聞く、3代にわたって探究し続ける専門店の意義－－ベスト販売石田充孝代表取締役社長

https://www.webchronos.net/features/73306/

　フロアマネージャーの滝澤尚季さんのお勧めは、ヴァシュロン・コンスタンタンの「トラディショナル・コンプリートカレンダー」とIWCの「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42」。定番ではなく、カレンダーウォッチを推してくるのは意表を突かれる。なんとゼニスのエル・プリメロ50周年セットがあるのは、さすがISHIDA新宿だ。

ISHIDA新宿ヴァシュロン・コンスタンタン

東京の時計専門店としては屈指の売り場面積および在庫本数を誇るヴァシュロン・コンスタンタンの売り場。トラディショナルからパトリモニーまで、その品ぞろえは圧巻だ。

3階フロアマネージャー滝澤尚季さんが選ぶ“使えるカレンダー”2本

ヴァシュロン・コンスタンタン「トラディショナル・コンプリートカレンダー」
ヴァシュロン・コンスタンタンらしい、端正なフルカレンダーウォッチ。搭載するCal.2460は、今となっては古典の極み。精緻な針合わせの感触や、静かなローター音など、高級時計ならではの味わいに満ちている。自動巻き（Cal.2460 QCL/1）。27石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約40時間。18KWG（直径40mm、厚さ10.72mm）。3気圧防水。488万4000円（税込み）。

IWC「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42」
傑作82000系をベースに、お家芸の永久カレンダーモジュールを加えたモデル。堅牢なベースムーブメントに、使い勝手に優れた複雑機構の組み合わせは、いかにもIWCらしいものだ。7日巻きと比べてケースが小さいため、普段使いにも向いている。自動巻き（Cal.82650）。46石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約60時間。SS（直径42.4mm、厚さ13.8mm）。3気圧防水。257万4000円（税込み）。

広田雅将が選ぶ、3階のお勧めは伝説のゼニス3本セット

ゼニス「エル・プリメロ誕生50周年記念ボックスセット」
エル・プリメロの50周年を記念して作られた限定50セットのボックス。「エル・プリメロ A386 リバイバル」「デファイエル・プリメロ 21」、そして「エル・プリメロクロノマスター 2」の3本がスペシャルボックスに格納される。ちなみに、大きく変わったエル・プリメロ2ことエル・プリメロ3600を初めて搭載したのが、この記念ボックスに収められたクロノマスター 2である。583万円（税込み）。

3階フロアマップ

新宿ISHIDA 3階フロアマップ

長居お勧め！ゆったりとした空間が広がる4階

ISHIDA新宿 4階

名だたる高級ブランドが集まる4階。ブランパンやジラール・ぺルゴといった老舗ウォッチメーカー、H.モーザーのようなスモールメゾン、そしてブルガリやトム・フォードを一気に見比べられる時計専門店はISHIDA新宿のみだろう。

　3階に続いて、4階もやはりラグジュアリーな空間だ。取り扱うのは、ブレゲ、ジャガー・ルクルト、ブランパン、ジラール・ペルゴ、H.モーザーにブルガリ、トム・フォードだ。3階同様のゆったりしたフロアに、多くの時計が並ぶ。3階と4階は改装により、あえてゆったりとした雰囲気を強調。フロアマネージャーの燕宣樹さんが、長居する人が多いと語るのも納得だ。

ISHIDA新宿ブランパン

リニューアル後、特にISHIDA新宿が注力するブランパン。フィフティファゾムスコレクションのみならず、ヴィルレコレクションも豊富に取りそろえる。

　このフロアで意外だったのは、H.モーザーの豊富なコレクションだ。なんと15本も集まっている。海外からの引き合いが多そうだが、「国内のお客様のみに販売している」とのこと。まさか、H.モーザー「スイスアルプウォッチコンセプト・コズミックグリーン」があるとは！　ジラール・ペルゴは、最近人気のロレアートも数多く並んでいる。

　燕宣樹さんのお勧めはブランパン「ヴィルレコンプリートカレンダー GMT」、ブレゲ「クラシック 7337」、広田のお勧めはもちろんH.モーザー「スイスアルプウォッチコンセプト・コズミックグリーン」だ。

4階フロアマネージャー燕宣樹さんが選ぶ通好みの2本

ブランパン「ヴィルレコンプリートカレンダー GMT」
スポーツウォッチの「フィフティファゾムス」が注目を集めるブランパン。しかし、昔から作り続けるコンプリートカレンダーも魅力的だ。良質な外装と、細かくアップデートされたムーブメントの組み合わせは、高級な実用時計の条件を十分に備えている。自動巻き（Cal.6654）。28石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約72時間。SS（直径40mm、厚さ10.94mm）。3気圧防水。172万7000円（税込み）。

ブレゲ「クラシック 7337」
1986年発表の3330／3337の後継機が、2009年発表の7337。その最新版が本作である。新しいギヨシェ仕上げと繊細なブルー文字盤に加えて、さらに詰められたディテールが完成度をより高めた。自動巻き（Cal.502.3QSE1）。35石。2万1600振動／時。パワーリザーブ約45時間。18KWG（直径39mm、厚さ9.9mm）。3気圧防水。512万6000円（税込み）。

広田雅将が選ぶ、4階のお勧めは世界20本のH.モーザー

H.モーザー「スイスアルプウォッチコンセプト・コズミックグリーン」
まさかこのモデルがあるとは！グリーンのフュメダイアルを持つアルプウォッチの限定版である。手巻き（Cal.HMC 324）。27石。1万8000振動／時。パワーリザーブ約96時間。18KWG（縦44.0×横38.2mm、厚さ10.2mm）。30m防水。世界限定20本。352万円（税込み）。