創業230周年を迎えたジラール・ペルゴがドバイ ウォッチ ウィークで記念モデルを披露。注目すべきは「ラ・エスメラルダ」の意匠を受け継ぐブルーエナメルのエタニティエディションだ。
創業230周年を祝う超大作。エナメル装飾は7種類の配色で展開され、各色最大18本の受注生産となる。自動巻き(Cal.GP09600-1506)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPG( 直径44mm、厚さ15.25mm)。3気圧防水。予価4852万1000円(税込み)。
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2022年1月号掲載記事]
ドバイ ウォッチ ウィークで披露された創業230周年記念モデル
2021年に創業230年を迎えたジラール・ペルゴ。それを祝う超大作が、11月24日から開催されたドバイウォッチ ウィークでお披露目された。エタニティエディションと名付けられたブルーエナメルのスペシャルピースが、キャッツアイやロレアートのコレクションに加えられたのである。中でも白眉は、ラ・エスメラルダ トゥールビヨンをベースに製作されたエタニティだ。
1889年の第4回パリ万博で金賞を受賞した、ピボテッドデテント脱進機のスリー・ゴールド ブリッジ トゥールビヨン懐中時計を源流とする腕時計版は1991年が初出。その後に改良が重ねられた自動巻きの最新バージョンが、2016年初出のラ・エスメラルダ トゥールビヨンだ。香箱下にプラチナ製のマイクロローターを配することで、スリー・ゴールドブリッジの意匠を尊重しながら香箱径を拡大。約60時間のロングパワーリザーブ化を成し遂げている。18年にはハンターバックのケースに手仕上げの彫金を施したシークレットも追加。なおラ・エスメラルダの名称は、19世紀に伝説的な懐中時計の販売を委託されたパリの宝飾時計店に由来する。
新しいエタニティエディションのベースとなったのも、ハンターケースバックを持つシークレット仕様。3本のアロー型ブリッジのうち、香箱受けの右端とキャリッジ受けの左端は、馬をかたどった細密彫金で仕上げられる。ブリッジを支えるプレートは、ギヨシェ装飾を封じ込めるように作られた、シャンルベ仕立てのフランケエナメルだ。同様にケースサイドの彫金の上にもブルーのフランケが施されており、清涼感を感じさせるような仕上がりは見事としか言いようがない。まだまだコロナ禍の影響が続く現状では、実機に触れることは叶わないかもしれないが、ぜひとも見てみたい1本だ。
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