ラドー「キャプテン クック」が切り拓く、ハイテク素材を用いた新たな試み

2021.12.25

ラドーお得意のハイテクセラミックスをケースに使用し、これまでとは異なるキャラクターを得た新しい「キャプテン クック」。その完成度は、ラドーの高い技術力を遺憾なくアピールする。

キャプテン クック ハイテク セラミック

キャプテン クック ハイテク セラミック
金属のような艶を持つプラズマ ハイテクセラミックスをケースに使用。裏蓋をチタン製とすることで、ねじ込み式を可能にし、300m防水を実現した。自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。プラズマ ハイテクセラミックス(直径43mm、厚さ14.6mm)。300m防水。41万8000円(税込み)。
写真:吉江正倫 Photographs by Masanori Yoshie
文:細田雄人(クロノス日本版) Text by Yuto Hosoda(Chronos-japan)
[クロノス日本版 2022年1月号掲載記事]


セラミックスケースのラドー「キャプテン クック」

 ラドーといえば、「トゥルー」コレクションに代表されるセラミックスを中心とした〝新素材〞をモダンデザインと組み合わせることで知られる。しかし同時に、アーカイブに範を取ったデザインに、ステンレススティールをはじめとする〝昔ながらの素材〞を組み合わせたクラシカルなモデルも人気だ。そんなラドーの二面性を併せ持つのが「キャプテンクック ハイテク セラミック」である。

キャプテン クック ハイテク セラミック

キャプテン クック ハイテク セラミック
こちらはハイテクセラミックス製ケースのモデル。搭載するCal.R734は姿勢差調整を従来の3ポジションから5ポジションに増やして、より精度を追い込んでいる。自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。ハイテクセラミックス(直径43mm、厚さ14.6mm)。300m防水。40万7000円(税込み)。

 1962年に登場したダイバーズウォッチを現代的に再解釈したキャプテンクック。これまでステンレススティールとブロンズしかケース素材を採用してこなかった同コレクションに、ハイテクセラミックスとプラズマ ハイテクセラミックスが初めて使われた。前者はセラミックスらしい艶のある質感を持つのに対して、後者は金属のような輝きを放つ。いずれも仕上がりはこの価格帯では抜きんでており、「ラドーがマスター・オブ・マテリアル」たるゆえんを感じられる。

 ケース素材以外でもキャプテン クック ハイテク セラミックは既存モデルにはない新たな試みを取り入れている。それがスモークサファイアクリスタルによる文字盤のシースルー化だ。注目すべきは硬度が高く、加工が困難なサファイアクリスタルをしっかりと切り出している点。アイコニックな回転するアンカー(イカリ)や、文字盤側の受けに入れられた細かいペルラージュもきっちり処理されている。文字盤の形状もフラットではなくコストのかかるボンベ型だ。なお、文字盤を真鍮からサファイアクリスタルに変更すると磁気帯びのリスクも高まるが、本作ではヒゲゼンマイを磁気に強いニヴァクロンに交換することで、その問題を同時に解決している。抜け目のない構成は、ラドーの開発力の高さを示す好例だ。



Contact info: ラドー/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7330


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