腕時計の素材として採用されることの多い18Kイエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド。時計ブランドは今日、ここに更なる付加価値を加えようと、対傷性や耐久性を高めるための研究を進めている。独自のゴールド合金を採用した腕時計6本を紹介する。
Text by Ruediger Bucher
2021年12月28日掲載記事
ライムゴールドを使用するモンブラン「モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション 18」
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モンブランはグリーンの輝きを持つ独自のゴールドカラーに「ライムゴールド」と名付けた。これは2021年に登場した「モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション 18」から採用されている。同モデルではグリーンのインデックスと針、そしてケースに合わせたグリーンのヌバック・アリゲーターレザーストラップを備えている。レトロな外観を醸し出す色の組み合わせだ。
セドナ®︎ゴールドを使用するブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」
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75%のゴールドに、銅、パラジウムを混ぜた耐久性の高い合金、それがブランパンの親会社スウォッチ グループが保有するセドナⓇゴールドであり、同じグループに属するオメガのファンにとっては、2013年からシーマスター ダイバー300に採用されていることでおなじみの素材だ。2020年、ブランパンはこの特許取得の素材をバチスカーフの直径43mmケースとベゼルに採用し、ディープブルーの文字盤を組み合わせた。
ハニーゴールドを使用するA.ランゲ&ゾーネ「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」
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A.ランゲ&ゾーネは「ハニーゴールド」の限定モデルを2010年から不定期で手掛けている。また同社はこの公式名称を商標として登録した。2021年には“ルーメン”シリーズ初となるハニーゴールド製ケースを採用したシリーズ第5作の「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」を発表。A.ランゲ&ゾーネによると、ハニーの名称は暖かい色合いの輝きに由来し、同時に通常のゴールド合金よりも高い硬度を持つという。この素材は特殊な熱処理と組成によって得られるということだが、ブランドでは詳細を公表していない。
マジックゴールドを使用するウブロ「ビッグ・バン MP-11 14 デイ パワーリザーブ マジックゴールド」
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ゴールド合金の中には他よりも高い硬度を示すものもあるが、ゴールドは本質的に柔らかく、傷に弱いものである。だがそれも組成の25%がセラミックスである場合は別だ。ウブロは重量75%がゴールドの組み合わせで独自の生成工程を実施し、18Kゴールドである「マジックゴールド」として特許を取得した。これにより「ビッグ・バン MP-11 14 デイ パワーリザーブ マジックゴールド」のような同素材採用の時計には表面にほぼ傷がつかない。表面はポリッシュ仕上げであるが、素材はマットでハイテクな外観を持ち、単なる金属ベースのゴールド合金とは趣を異にしている。
イオンゴールドを使用するロジェ・デュブイ「エクスカリバー Dr.Woo モノトゥールビヨン」
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ロジェ・デュブイは、ローズゴールド製のムーブメント用に自社で変色しにくい合金を開発した。一般的なローズゴールドより45%高い硬度を持ち、摩耗や傷に強いものである。この合金は「イオンゴールド」と呼ばれ、塩水にも耐性が高い。ロジェ・デュブイは2021年以降に発表するローズゴールド製ケースを採用したすべての時計にこのイオンゴールドを採用する予定だ。「エクスカリバーDr.Woo モノトゥールビヨン」は、世界的なタトゥーアーティストDr.Wooとのコラボモデルで、モノトゥールビヨンを搭載している。
エバーローズゴールドを使用するロレックス「オイスター パーペチュアル デイトジャスト 36」
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ロレックスはいろいろな意味で他とは一線を画している。そのうちのひとつが、多くの技術に独自の名前をつけ、それによりブランド化が図られていることだ。これはロレックスが独自に開発し、自社の金型工場で生産している「エバーローズ」と呼ばれるローズゴールドの合金にも言えることである。「変わらぬ」という意味のEVERが名称に採用されているように、エバーローズゴールドはその色合いが長く変色しにくい。新しいデイトジャスト36においてはステンレススティールとエバーローズゴールドが組み合わせられ、ハンサムなツートーンカラーのデザインを実現。それを独自の名称である「ロレゾール」と呼んでいる。
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