クロノグラフが好きなら、チューダーの「プリンス オイスターデイト」と「ブラックベイ クロノ」をチェックしてみよう。チューダーにおけるクロノグラフウォッチの歴史とともに、両コレクションの基礎知識を得れば、チューダー クロノグラフの魅力がより強く感じられるはずだ。
チューダー クロノグラフの原点「プリンス オイスターデイト」
チューダーにおける自動巻きクロノグラフモデルの原点となったのが、長きにわたってチューダーを支えた「クロノタイム」の呼び名を持つ「プリンス オイスターデイト」である。生産終了後も高い人気を得ているクロノタイムの特徴や歴史を知ろう。
チューダー初の自動巻きクロノグラフ
そもそもチューダーは、ロレックスのより良い普及のために誕生した。ロレックスの優れた技術を手頃な価格で提供し、ムーブメント以外のパーツはロレックスとまったく同じものが使われているモデルも多い。
クロノタイムはチューダーの歴史で初めて自動巻きムーブメントを搭載したクロノグラフ。ロレックスの「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」と同じパーツを使ったモデルが多いため、ひと目見るだけでは区別がつかない時計もあるほどだ。
クロノタイムの変遷
クロノタイムは二度のモデルチェンジが行われている。1976年に登場したモデルは、自動巻きムーブメントを搭載するために厚みのあるデザインを採用したことから「ビッグ・ブロック」と呼ばれた。
続くセカンドモデルでは、初期モデルに存在していたカラフルな文字盤が消え、シンプルな文字盤に変更された。
そして、クロノタイムの最終モデルとなるサードモデルでは、一転してデザインを大幅に変更。それまで以上に高級感が高まり、種類も豊富になったのが特徴だ。クロノタイムは2000年代中盤まで生産を続けた後、歴史の幕を閉じている。
伝統を受け継いだ「ブラックベイ クロノ」
クロノタイムの生産終了後、しばらくして誕生したクロノグラフモデルが「ブラックベイ クロノ」だ。特徴や魅力、モデルごとの相違点について解説する。
クラシカルな意匠
チューダーのブラックベイ クロノは、チューダーのダイバーズウォッチの歴史を結集して進化させたコレクション「ブラックベイ」にラインナップされるモデルだ。初代モデルは2017年に誕生している。
往年のチューダー時計からクラシカルな意匠を受け継いでいる点が、ブラックベイ クロノの大きな特徴である。ケースや文字盤、風防、リュウズ、針といったディテールに、過去モデルの面影が残っている。
中でも特徴的なのが、厚みのあるケースや個性的なスノーフレーク針で、2019年のモデルチェンジや2021年のアップデートでも、伝統的な意匠をしっかりと引き継いでいる。
高い防水性と自社製ムーブメント
レトロかつスポーティーなデザインに目が行きがちなブラックベイ クロノだが、機能面でも優れた実力を発揮するモデルである。
ダイバーズウォッチとしての実用性を確保すべく、200mの防水性能を実現している。ブランドのモチーフのひとつであるチューダーローズが刻印されたリュウズは、チューダーが初めて200m防水を採用したモデルから着想を得たものだ。
現行のブラックベイ クロノはすべて自社製ムーブメントを搭載。約70時間のパワーリザーブと耐磁性を備え、C.O.S.C.認定を取得した高性能の機械式ムーブメントだ。
初代とセカンドモデルの違い
ブラックベイ クロノは、2017年に初代モデルが誕生した後、2019年にはセカンドモデルが発表されている。両者の大きな違いは文字盤のデザインだ。
初代モデルの文字盤カラーが1色であるのに対し、セカンドモデルは文字盤とインダイアルのカラーが違う色になっている。
2021年に発表されたセカンドモデルのアップデートバージョンは、黒と白のツートーンモデルである。白文字盤に黒のインダイアルなら「パンダ」、色が逆の場合は「逆パンダ」と呼ばれる。