レディース時計で有名なショパールは、メンズのコレクションも愛好家から支持を集めている。歴史やマニュファクチュールとしての実力を知れば、優れたブランドであることを理解できるだろう。ショパールのメンズウォッチが評価される理由や、独創的な名品を紹介する。
創造性を追求する老舗メゾン「ショパール」
高級ジュエラーとしてのイメージが強いショパールだが、もとは時計工房から始まったブランドだ。時計ブランドとしての歴史と、宝飾技術を取り入れるようになった経緯を見ていこう。
時計ブランドとしてのショパール
ショパールは、1860年に時計メーカーとしてスイスに設立されたブランドである。創業者は時計職人のルイ-ユリス・ショパールだ。
ショパールの時計は優れた精度やデザインで評価を高め、早くから国外に販路を広げていった。ロシア皇帝ニコライ2世をはじめ、多くの著名な顧客を獲得している。
19世紀に入ると、スイスの連邦射撃祭(スイスで行われてきた実弾の射撃大会)やスイス鉄道へ公式に時計を提供するという、名誉ある役割を担うことになった。
名だたる強豪がひしめくスイス国内でも、時計ブランドとして確固たる地位を築き上げたのである。
宝飾技術との融合
1963年、後継者問題を抱えていたショパールは、ドイツで宝飾品と時計を製造していたカール・ショイフレ3世に買収される。スイスの時計製造技術を求めていたショイフレと、会社を存続させたいショパールの思惑が一致した形だ。
時計製造技術に宝飾技術も取り入れられるようになったショパールは、独創的なデザインの「ハッピーダイヤモンド」を1976年に発表し、世界を驚かせた。
さらに1996年にはスイスのフルリエにマニュファクチュールを設立し、完成度の高い自社製ムーブメントの開発にも成功している。
創業以来培ってきた高い時計製造技術に宝飾技術を融合させ、より創造性に富んだ魅力的な時計を追求し続けている点が、ショパールの最大の特徴といえるだろう。
マニュファクチュールとしての実力
時計ブランドとしてのショパールは、デザインと時計製造技術の両面で磨き抜かれた実力をいかんなく発揮している。メンズモデルの開発における特筆すべきポイントを押さえておこう。
創造力が実現する美しいデザイン
ショパールのメンズ時計には、独創的なアイデアをかなえるセンスと技術力が備わっている。高級時計ブランドらしい上品さに加え、自由な発想も取り入れられている点が魅力だ。
メンズモデルの代表格「ミッレ ミリア」では、同時代性を取り入れた限定モデルが継続的に発表されている。クラシカルな雰囲気を残しつつ、トレンドやユニークさを前面に出すことを忘れていない。
一方でクラシックラインの定番「L.U.C」も、形式にとらわれない自由な表現が魅力的なコレクションだ。大胆さと創造力をメゾンの価値とするショパールは、豊富なラインナップを生み出し、幅広い層のニーズに応え続けている。
卓越した時計製造技術
マニュファクチュールブランドとして確かな時計製造技術を有していることも、ショパールの時計が評価される理由のひとつである。自社工場を設立した1996年には、メゾンを代表するムーブメントL.U.Cの1号機「Cal.96」を開発している。
コレクション名にもなっている「L.U.C」は、創業者の頭文字を組み合わせたものだ。高性能駆動装置を搭載したメンズコレクションが登場したことにより、メンズ時計ブランドとしての認知度も高まっていった。
2012年には、高振動とC.O.S.C認定の両方を時計史上初めて実現させたムーブメント「Cal.LUC 01.06-L」の開発に成功している。