ウブロの救世主ビッグ・バン。革新的モデルと称される理由は?

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2022.01.27

エントリークラスからワンランク上の時計が欲しいなら、独創的なウブロの「ビッグ・バン」がおすすめだ。他のブランドでは味わえない、ウブロならではの個性を堪能できるだろう。ビッグ・バンが誕生した背景や特徴を解説するとともに、人気モデルも紹介していく。

ウブロ ビッグ・バン


時計の歴史に名を刻んだ「ビッグ・バン」

ウブロは他のメーカーには見られない独自のクリエイションや販売戦略を展開するスイスの高級時計ブランドである。業界で異端扱いされていたウブロを一躍トップブランドへと押し上げたのが、大ヒットモデル「ビッグ・バン」だ。

ビッグ・バンの沿革

ビッグ・バン スチールセラミック

1980年の「クラシック」より続く、ウブロのアイコニックなディテールを継承しながら、モダンなタイムピースへと進化させた「ビッグ・バン」。そのファーストモデルとなったのが、2005年発表の「ビッグ・バン スチールセラミック」で、今なお高い支持を獲得している。自動巻き(Cal.HUB4100)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径44mm)。10気圧防水。158万4000円(税込み)。

1980年に創業したウブロは、デビュー作の斬新すぎるデザインが業界に衝撃を与えたものの、一方では常識を逸脱したクリエイションが万人には受け入れられず、20世紀中は不遇の時期を過ごすことになる。その困難な状況を打開すべく、2004年に新CEOとして迎え入れたのがジャン-クロード・ビバーだ。

業界の成功請負人と称されていたビバーは、「フュージョン(融合)」をコンセプトに、伝統を継承しながら異素材を組み合わせた時計を考え出した。このコンセプトのもとで2005年に誕生したのが、ビッグ・バンである。

斬新でありながらも洗練されたデザインのビッグ・バンは、若者層を中心に多くの人気を集め大ヒットした。著名人を採用したプロモーション活動も成果を上げ、現在は「成功者の時計」としてブランドを支える旗艦コレクションとして位置づけられている。

革新の象徴「ラバーストラップ」

ビッグ・バン ラバーストラップ

ウブロを象徴するディテールのひとつがラバーストラップ。「ビッグ・バン」はもちろん、「クラシック・フュージョン」や「スピリット オブ ビッグ・バン」まで、数多くのモデルで採用されており、ブランドが掲げる「The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)」のコンセプトを具現している。

ビッグ・バンにおける革新的な特徴として挙げられるのが、ストラップ素材に採用されたラバーストラップだ。それまで、業界では異端とされていたゴールドとラバーの組み合わせだが、ビッグ・バンで広く認められるようになる。

ウブロ創業時の1980年に発表した「クラシック」でも、すでにラバーストラップは採用されていたが、あまりにも斬新すぎるとして、当時は受け入れられなかったのだ。

革新的なデザインだけでなく、優れた耐久性や防水性による実用性の高さも、ビッグ・バンが人気を集めた理由である。しかもこのモデルには、デビュー作のベゼルデザインがしっかりと継承されているのだ。


ビッグ・バンが選ばれる理由

ウブロの成長を支えるビッグ・バンには、さまざまな魅力が詰め込まれている。デザインやムーブメントなど、象徴的なポイントを押さえておこう。

独創的なベゼルデザイン

ビッグ・バンを特徴づける要素のひとつに、独特なベゼルのデザインが挙げられる。1980年に誕生したクラシックから続く、ビス打ちされたラウンド型のベゼルだ。

舷窓から着想を得たこのデザインは、ウブロの時計全般に広く採用されている。「ウブロ(HUBLOT)」がフランス語で舷窓を意味することからも、ビス打ちされたラウンドベゼルがブランドのアイコンとなっていることが分かるだろう。

ケースの左右に張り出したリブドや、ビスが打たれた長方形のラグも、メゾンのDNAとしてビッグ・バンに受け継がれているディテールだ。

自社製ムーブメント「ウニコ」の搭載

創業以来、ウブロは汎用ムーブメントを自社の時計に搭載していた。しかし、ビッグ・バンの大ヒットを受け、自社製ムーブメントの開発を開始する。

ウブロが技術力や情熱をつぎ込み、約4年の歳月をかけて完成させたムーブメントが「ウニコ」だ。初の完全自社開発ムーブメントは世間から高い評価を集め、ウブロは名実ともに業界から認められたのである。

ビッグ・バンに初めてウニコが搭載されたモデルは、2013年に発表された「ビッグ・バン ウニコ」である。優れた性能や精度を備えたウニコはその後、小型機用の「ウニコ2」も開発されている。

男心をくすぐるメカニカルな意匠

ビッグ・バン

ウニコを搭載した「ビッグ・バン」は、そのほとんどがオープンワークのダイアルを採用しており、精緻なムーブメントの姿とケース素材とのコントラストを楽しめる。

あえて複雑な機構を見せていることも、ビッグ・バンが選ばれている理由のひとつだ。300を超えるパーツが複雑に組み合うウニコは、オープンワークの文字盤から確認できるようになっており、そのメカニカルな表情は多くの男性の心をくすぐるものだ。コラムホイール周辺の動作を表側から見られる特殊性も魅力である。

さらにベゼルに施されたビスや複雑精緻な構造のケースが、ビッグ・バンの外観を際立たせるのに一役買っている。