雲上ブランドのアンティーク時計を探しているなら、ヴァシュロン・コンスタンタンがおすすめだ。ブランドの歴史や特徴を知ることで、自分にとっての価値を高めやすくなるだろう。ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計が持つ魅力に迫る。
ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計が持つ魅力
デザイン性やオリジナル性の高さが、アンティーク時計(編集部注釈:正確には「ネオヴィンテージ」)の大きな魅力だ。ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計には、見た目にどのような魅力があるのかを見ていこう。
ブランドシンボル「マルタ十字」が美しい
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計には、アンティークに限らずブランドのシンボルである「マルタ十字」が使われている。12世紀に誕生した、キリスト教の騎士修道会「マルタ騎士団」が掲げていたとされるマークだ。
マルタ十字は、1880年にはヴァシュロン・コンスタンタンによってスイスで商標登録されている。
100年以上も前から脈々と受け継がれている伝統、マルタ十字は、昔も今もヴァシュロン・コンスタンタンの時計を象徴する大きな要素である。
芸術作品としての価値が高い
時計に備わる芸術性の高さも、ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計が持つ魅力である。ヴァシュロン・コンスタンタンは「メティエ・ダール」(フランス語で「芸術的手仕事」の意味)という部門を設け、古典技法を熟練の職人たちの手腕で実現している。
メティエ・ダールで行われる主な技法は、彫金、ギヨシェ、エナメル、ジェムセッティングなどだ。いずれも職人たちが守り続けてきた伝統的な技である。
芸術作品としての外観はもとより、歴史的な意義深さも感じられる至高のタイムピースを生み出していると言えるだろう。ヴァシュロン・コンスタンタンはアンティーク時計を選ぶ選択肢に、ぜひとも加えたいブランドだ。
「永久修理」を保証している
ヴァシュロン・コンスタンタンは「永久修理」を保証している数少ないブランドのひとつだ。創業以来販売したすべての時計に対し、制限を設けずに修理やメンテナンスを受け付けている。
一般的なブランドでは、設定したパーツ保有期間を過ぎた時計は修理してもらえない。一方、ヴァシュロン・コンスタンタンはパーツ保有期間を設けていないため、どんなに古い時計でも修理を拒まれないのである。
すなわち、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を一度購入すれば、修理やメンテナンスを行いながら子や孫の代まで受け継いでいけるのだ。したがって、アンティーク時計であっても、安心して入手できるだろう。
ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴
ヴァシュロン・コンスタンタンは世界3大時計ブランドのひとつとされている。次に、長きにわたって名門の座を守り続けている理由について解説する。
途切れることなく伝統を紡ぐブランド
ヴァシュロン・コンスタンタンが名門ブランドとして語られる理由のひとつに、一度も途切れることなく続く歴史が挙げられる。歴史が始まった1755年以来、265年以上の長きにわたってブランドが継続しているのだ。
高級時計メーカーの中には、2度の世界大戦やクォーツショックによって倒産や他社への売却を余儀なくされたブランドも少なくない。その中で、ヴァシュロン・コンスタンタンは切れ目なく伝統を培ってきた稀有なブランドなのである。
ヴァシュロン・コンスタンタンが世界3大時計ブランドのひとつと呼ばれる理由も、その歴史によるところが大きい。残りふたつのパテック フィリップ(1839年創業)やオーデマ ピゲ(1875年創業)と比べても、ヴァシュロン・コンスタンタンは最も古い歴史を有している。
世界三大時計ブランドとしての実力
パテック フィリップ、オーデマ ピゲと並び、ヴァシュロン・コンスタンタンは「雲上ブランド」とも呼ばれるメゾンだ。
いずれのブランドも、卓越した時計製造技術を持つ点において共通している。ほとんどの時計に優れた仕上げのムーブメントを搭載し、あらゆるパーツに最高品質の素材を用いている。
ヴァシュロン・コンスタンタンがこれまで世に送り出してきた数々の名機も、品質面で高い評価を受けてきた。単に歴史が古いだけでなく、高い技術力に裏打ちされた由緒ある歴史を紡いできているからである。
ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計を紹介
ヴァシュロン・コンスタンタンの生産終了モデルから、アンティーク時計としておすすめの2点を紹介する。自身のコレクションにふさわしいモデルを選ぶ参考にしていただきたい。
オーヴァーシーズの礎となった「222」
ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計を探すなら、「222」は外せないだろう。ブランドの創業222年を記念し、1977年に誕生したスポーティーなモデルだ。
1977年に発表された、ヴァシュロン・コンスタンタン創業222周年を記念したモデル。ウォッチデザイナー、ヨルグ・イゼックによりデザインされた。自動巻き(Cal.1121)。36石。1万9800振動/時。SSケース(直径37mm)。120m防水(当時)。
222が発表された当時は、今で言ういわゆる「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」が流行し始めた時期である。オーデマ ピゲのロイヤル オーク(1972年誕生)やパテック フィリップのノーチラス(1976年誕生)など、ライバルブランドでもスポーツラインが続々と発表された。
ヴァシュロン・コンスタンタンも、この222でラグスポ市場への参入を果たしている。後にヴァシュロン・コンスタンタンの代表作となる「オーヴァーシーズ」は、222を礎に開発されたコレクションだ。
シンプルなデザインが美しいRef.6073
クラシックなスタイルのアンティーク時計が欲しいなら、Ref.6073がおすすめだ。華美な装飾を施さず、シンプルで美しいデザインにまとめられている。
ブランド初の自動巻きムーブメントを搭載したRef.6073。センターセコンド表示で全体的にシンプルだが、マルタ十字をモチーフにしたラグ形状が最大の特徴だ。自動巻き(Cal.1019/1)。21石。1万8000振動/時。18KYGケース(直径35mm)。非防水。
すべてのディテールがさりげないアクセントとなり、全体の美しさを際立たせている点が印象的である。搭載するのは、ヴァシュロン・コンスタンタン初の自動巻きムーブメントであるCal.1019/1(ジャガー・ルクルトのムーブメントベース)だ。
2018年に登場した新しいコレクション「フィフティーシックス」は本作から着想を得たものである。マルタ十字をモチーフとしたラグのデザインや、ボックス型の風防といったディテールが継承されている。
現代の時計とは一味違う魅力を味わおう
ヴァシュロン・コンスタンタンのアンティーク時計は、マルタ十字の美しさや芸術作品としての価値の高さが魅力だ。永久修理を保証している点もポイントと言えるだろう。
222やRef.6073をチェックすれば、現在生産されているコレクションとのつながりも理解しやすくなる。裏付けとなるブランドの歴史を知り、現行のモデルとは異なる魅力を味わってみよう。
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