ZOZO創業者の前澤友作が宇宙から帰還した時に着けていた時計は?

世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行から、2021年12月20日に無事帰還した前澤友作が宇宙滞在時、および帰還後の会見で着用していたリシャール・ミルに着目する。

沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
2022年1月16日掲載記事


宇宙滞在時にも、帰還後の会見時にも着けていた時計は?

前澤友作

Photograph by ロイター/アフロ
2022年1月7日に開催された帰国後初の記者会見での前澤氏。時計はリシャール・ミルの「RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」だ。

 いつか宇宙に気軽に行ける日が来るのかもしれない、と20年ほど前に筆者は思ったことがある。価格こそまだ一般人には手の届くレベルではないが、想像以上に早く職業宇宙飛行士でない民間人が宇宙旅行を実現した。今回、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在した前澤友作氏は時計好きとしても広く知られる人物。本連載でも、かつて前澤氏と着用するパテック フィリップの「Ref.3970P」を紹介しているが、今回は宇宙滞在時、ならびに帰還後の会見で着用していたリシャール・ミルの「RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」を紹介しよう。

超軽量なトゥールビヨンウォッチ、リシャール・ミル「RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」を着用

RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル

リシャール・ミル「RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」
手巻き(Cal.RM27-02)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。NTPT®カーボン×クォーツTPT®&NTPT®カーボン(縦47.77×横39.7mm)。限定50本。8800万円。

 リシャール・ミルが手掛けるナダルシリーズの3作目にあたる同モデルは2015年に発表された。最大の特徴はわずか3.35gという超軽量のムーブメントがミドルケースと地板を一体化したケース内に組まれていることだ。RM27-02は500Gの衝撃にも耐えるという結果を残している。

 宇宙空間は無重力のため重力加速度に対する耐性はあまり重要と考えられないかもしれないが、宇宙船の発射時や地球への帰還時には非常に大きなGが時計にはかかる。また滞在中の宇宙では、温度、湿度、などさまざまな過酷な環境が想定され、あらゆる面でタフな時計であることが求められる。初の宇宙空間への旅の相棒にエクストリームウォッチであるRM27-02という選択は合理的だ。


リシャール・ミルに通じる前澤友作の哲学

 2018年に放送された「ガイアの夜明け」番組内で、3000以上の特許を持つドクター中松への憧れを口にしていたことはご存知だろうか。番組後、Twitter上ではドクター中松からの公開リプライもあり、ふたりは会う約束をしている。何か面白いことを実現しようとするという点でお互いに響き合うものを感じたのかもしれない。

 特許法では発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されている。誰も考えられなかったことに気づき、それを利用して何かを始める行為は時計製造技術の世界でも切り離せない。

 前澤氏は写真のモデル以外にもリシャール・ミルの時計を所有していることで知られている。数々の特許を取得し、手にする人に常に新鮮な驚きを与えるリシャール・ミルのものづくりの姿勢に共感しての選択ではないだろうか。

 新しいことを実現する時には賛否両論が発生するが、何事もやってみなくては分からない。新たな視点で宇宙という存在が身近に感じられるようになった人もいたのではないだろうか。来年は月への旅行も計画されている前澤氏が宇宙へ行き見聞を広げたことから新たなものやサービスが生まれることに期待したい。


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