GMTとワールドタイマー、何が違うの？【腕時計のギモンを解決！】

2024.07.07

Q：GMTとワールドタイマー、何が違うの？

ふたつ以上の時刻を表示する時計には「GMT」や「ワールドタイマー」などいくつか種類があるようですが、それぞれ何が違うんですか？

2022年2月25日掲載記事

A：針を使うものがGMT、ディスクで複数の時間帯を表示するものがワールドタイマー

　時計を操作することなく、他の場所の時間帯を確認できるのが「GMT」や「ワールドタイマー」です。正確には多少異なりますが「デュアルタイム」といわれる時計もGMTの中に含めて良いでしょう。「UTC」と銘打たれた時計も同じです。

　もっとも、このふたつは全く別物です。時分とは別の針で、もうひとつの時間帯を示すのがGMTやデュアルタイムウォッチ。代表作はロレックスの傑作「オイスターパーペチュアル GMTマスター」です。加えてその後に登場した「オイスターパーペチュアル GMTマスターⅡ」では、回転するベゼルを使うことで世界3箇所の時間帯を同時に表示できます。現在あるほとんどのGMTウォッチは、ロレックスの構成を模倣したものです。

GMTマスター

1957年に登場した「オイスターパーペチュアル GMTマスター」はGMT針と24時間スケールの回転ベゼルを組み合わせることで、第2時間帯表示を可能にしたモデルだ。同作の登場をもって、GMT針＋24時間スケールの組み合わせを持つ“GMTウォッチ”というジャンルが誕生した。

　一方、世界各地の都市名が表示されており、ひと目で世界各地の時間帯を確認できるのがワールドタイマーです。もっとも有名なものは、パテックフィリップ「ワールドタイマー」でしょう。ちなみに世界各地の都市名が示されているにもかかわらず、1カ所の時間帯しか確認できない時計があります。こういった時計は、見た目こそワールドタイマーですが、厳密に言うとGMT、またはデュアルタイムウォッチとなります。

　針で今いる自分の場所と別の時間帯を示す時計はGMT。ディスクで複数の時間帯を示すのがワールドタイマー。非常に大雑把な分け方ですが、そう考えていれば間違えることはないでしょう。

GMTウォッチとワールドタイマーウォッチ

チューダー　ブラックベイ　GMT

チューダー「ブラックベイ 58 GMT」Ref. M7939G1A0NRU-0001／Ref. M7939G1A0NRU-0002
チューダーが2024年にリリースした、GMTウォッチの「ブラックベイ 58 GMT」。GMT針を使って、第2時間帯を表示させることができる。なお、GMTウォッチには日付の早送り機能が搭載されたものは、そこまで多くない。しかし本作はリュウズを使って日付を早送り、さらには逆戻しまですることができる。しかも、セーフティー機能が搭載されているため、時計の不具合の原因となりやすい、カレンダー機能の故障を誘発しづらい。自動巻き（Cal.MT5450-U）。2万8800振動／時。パワーリザーブ約65時間。SSケース（直径39mm、厚さ12.8mm）。200m防水。ブレスレットモデル：64万3500円（税込み）。ラバーストラップモデル：61万3800円（税込み）。（問）日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570

オメガ「シーマスターアクアテラ GMT ワールドタイマー」Ref.220.12.43.22.03.001
世界の主要都市と24時間スケールを文字盤に備えた、オメガのワールドタイマーウォッチ。ロンドン（GMT）がレッド、サマータイムがある地域がシルバー、サマータイムがない地域がブルーに彩られている。文字盤中央の、レーザー加工によって描かれた世界地図が特徴的だ。なお、時分針に連動して、中央の24時間スケールも回転する。自動巻き（Cal.8938）。38石。2万5200振動／時。パワーリザーブ約60時間。SSケース（直径43mm、厚さ14.1mm）。150m防水。149万6000円（税込み）。（問）オメガ Tel.0570-000087

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