ヒストリーク 222
自動巻き(Cal.2455/2)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KYG(直径37mm、厚さ7.95mm)。50m防水。ブティック限定販売。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、スポーティシックを象徴するモデル「222」を現代的にアレンジした「ヒストリーク 222」を発表した。222は、同社の創業222周年を祝った1977年発表のモデルである。元となったデザインは、222の中でも“ジャンボ”と呼ばれる「Ref.44018」である。直径37mmで18Kイエローゴールド製のこのモデルは、デザイナーのヨルグ・イゼックの初期の作品だ。平面的なケースに立体的なベゼルを組み合わせ、ボリューム感とインパクトを生み出している今作は、屈曲したケースの上下端とブレスレットが一体化するデザインが特徴である。
また、5時位置にはヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するマルタ十字があしらわれている。18Kイエローゴールド製ケースとブレスレットは、サテンブラッシュにポリッシュが効果的に組み合わされている。そして今作の厚さ7.95mmを実現するために選ばれたのが、薄型の自動巻きムーブメントのキャリバー2455/2である。厚さが3.6mmしかないこのムーブメントは、時分表示とデイト表示を備え、パワーリザーブは約40時間である。今作は、ヴァシュロン・コンスタンタンのスポーティシックのアイコンとして広く認知されることとなるだろう。
レ・キャビノティエ・ミニット・リピーター・トゥールビヨン・スプリットセコンド・モノプッシャー・クロノグラフ
手巻き(Cal.2757)。59石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPG(直径45mm、厚さ16.4mm)。ユニークピース。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、ユニークピース「レ・キャビノティエ・ミニット・リピーター・トゥールビヨン・スプリットセコンド・モノプッシャー・クロノグラフ」を発表した。今作は、大型のムーブメントを搭載しやすい懐中時計では搭載事例のあった、トゥールビヨンに、ミニッツリピーターとスプリットセコンドクロノグラフのすべて搭載したムーブメントを用いた腕時計である。8時位置にオフセンターされた時刻表示と6時位置にスモールセコンドが配され、センターには2本のクロノグラフ秒針、2時位置の30分積算計がクロノグラフ機能に用いられる。2時位置のプッシャーはスタート、ストップ、リセットの3つの基本操作が割り当てられており、4時位置のプッシャーにはスプリットセコンドのストップとリセットが割り当てられている。
ケース9時側のレバーはリピーターを制御する。正時、正15分、分の組み合わせで時刻を知らせるこの機構は、複雑な機構を正確に作動させる必要があるうえ、チャイムの一定の間隔や、音の明瞭さと心地よさが必要であり、この点にはヴァシュロン・コンスタンタンが長い歴史の中で培ってきた技術が注がれている。これらの機構に加え、トゥールビヨンも搭載する手巻きムーブメントのキャリバー2757は、パワーリザーブが約60時間と実用的かつ、直径33.3mm、厚さはわずか10.4mmである。これにより、18Kピンクゴールド製のケースは直径45mm、厚さ16.4mmに収められている。
トラディショナル・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ
手巻き(Cal.1142 QP)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Pt(直径43mm、厚さ12.94mm)。3気圧防水。ブティック限定販売。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、プラチナケースにサーモンカラーダイアルを組み合わせたブティック限定モデル「トラディショナル・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」を発表した。
今作は、ドーフィン型針やレイルウェイミニッツトラック、段差をつけたケースなどの伝統的なデザインコードを、クロノグラフとパーペチュアルカレンダーおよびムーンフェイズ表示を搭載する手巻きCal.1142 QPにあてはめたものだ。センタークロノグラフ秒針と、3時位置に30分積算計、6時位置にポインターデイトとムーンフェイズ、9時位置にスモールセコンド、12時位置に月表示と曜日表示を備え、30分積算計の丈夫に閏年表示を備える。白く輝くプラチナケースに、柔らかな色調でレトロな印象も受けるサーモンダイアルが組み合わされ、ブルースティールを用いたクロノグラフ機能の針とポインターデイト針が全体のイメージを引き締めている。プラチナ製のムーンフェイズ・ディスクには、ふたつの月のモチーフが立体的に描かれており、これらが微笑みと憂鬱な顔である点は、19世紀の置時計のオマージュとなっている。
今作の12時位置のマルタ十字は、4本のアームのファセットの片方がサンドブラスト仕上げで、片方がポリッシュとなって立体感が強調された新たなディティールを備えており、これは特別な今作を象徴するものとなっている。
トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー
自動巻き(Cal.1120 QP)。36石。1万9800振動/時。パワーリザーブ約40時間。直径36.5mm、厚さ8.43mm。3気圧防水。(左)18KWG。(右)18KPG。
2世紀にわたり、女性向けウォッチに取り組んできたヴァシュロン・コンスタンタンから、近年高まりを見せる“女性による複雑時計のニーズ”に応える「トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」が発表された。
今作は、「トラディショナル」コレクションのデザインコードをあてはめた薄型のパーペチュアルカレンダーモデルである。ピンクゴールドモデルとホワイトゴールドモデルが用意され、直径36.5mm、厚さ8.43mmのケースには、ベゼルとラグにダイヤモンドが散りばめられている。また、リュウズにもダイヤモンドがあしらわれている。
ピンクゴールドモデルはホワイトのマザー・オブ・パールのダイアルにローズベージュのストラップが、ホワイトゴールドモデルにはブルーに着色したマザー・オブ・パールのダイアルにブルーグレーのストラップが合わせられている。
搭載するCal.1120 QPは、ムーブメント厚さが僅か4.05mmにもかかわらず、自動巻きで、日付、曜日、月、閏年表示を備えるパーペチュアルカレンダーと、ムーンフェイズ表示を備える。
オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー・スケルトン
自動巻き(Cal.1120 QPSQ/1)。36石。1万9800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPG(直径41.5mm、厚さ8.1mm)。5気圧防水。ブティック限定発売。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、「オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー・スケルトン」に、18KPGケースとブルーダイアルを組み合わせたモデルを追加した。
今作は、2020年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)でカレンダー&天文時計賞を受賞したモデルのバリエーションモデルである。小の月や閏年まで管理された1461日周期の機械的なメモリーを搭載する自動巻きのCal.1120 QPSQ/1は、稼働し続ければ2100年まで日付調整の必要ない機構を備えながら、厚さが4.05mmしかない。この薄型設計により、今作は直径41.5mm、厚さ8.1mmの薄型モデルとして成立している。さらに、ダイアルをサファイアクリスタルで作り、ムーブメントにはスケルトン加工をした上で丁寧に仕上げが施されている。また、ムーブメントは部分的に電気処理のNAC(N-アセチルシステイン)によるアンスラサイトグレーが施されており、各所の仕上げをより強調するものとして印象的に用いられている。
オーヴァーシーズ・トゥールビヨン・スケルトン
自動巻き(Cal.2160 SQ)。30石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約80時間。Ti(直径42.5mm、厚さ10.39mm)。5気圧防水。ブティック限定。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、「オーヴァーシーズ」コレクションで初となる、オープンワークを施したトゥールビヨンムーブメントを搭載する「オーヴァーシーズ・トゥールビヨン・スケルトン」を発表した。
今作は18Kピンクゴールドモデルと、グレード5チタンモデルが提供される。特にチタンモデルは、ヴァシュロン・コンスタンタン初のケースからブレスレットまで全てチタン製のモデルであり、スポーティーで冒険心をくすぐるオーヴァーシーズコレクションに好適な素材を用いたモデルと言えるだろう。
搭載されるムーブメントは自動巻きのCal.2160 SQである。これは、従来のキャリバー2160をスケルトン化するにあたり重量が20%削減されただけでなく、その構造も見直されて完成度が高められたものだ。また特徴は、ゴールド製のペリフェラルローターで、ローターがムーブメントを覆わないため美観に優れ、オープンワークされた部分から向こう側が見通しやすいメリットがある。また、メインプレートなどはNAC(N-アセチルシステイン)の表面処理によりアンスラサイトグレーが施され、全体が引き締まった印象となり、金色に輝く輪列やトゥールビヨンとのコントラストを生んでいる。また、羅針図のような香箱蓋は、今作から取り入れられたデザインだ。
従来モデルと同様に、ブレスレットとストラップは交換が簡単なインターチェンジャブルであり、ブレスレットの他に、レザーとラバーのストラップが付属する。