ショパールのミッレ ミリアは、車業界との結びつきが強い時計である。ブランドやモデルの知識だけでなく、レースの歴史も知ることで、より強い愛着を持てるだろう。車好きにおすすめしたいミッレ ミリアの特徴と魅力に迫る。
ショパールの過去と現在
メゾンの歴史やマニュファクチュールとしての実力を理解すれば、ショパールが優れたメーカーであることが分かるだろう。まずは、ブランドの歩みや特徴を解説する。
世界屈指のラグジュアリーブランド
ジュエラーとして屈指の知名度を誇るショパールは、高級時計メーカーの顔も持つブランドだ。1860年にルイ-ユリス・ショパール(1836~1915年)がスイスで創業し、メゾンの歴史が始まった。
時計と宝飾の優れた技術を組み合わせ、数々のレディースウォッチで名声を獲得していく。1976年に誕生した「ハッピーダイヤモンド」や後継機の「ハッピースポーツ」で、ラグジュアリーブランドとして確固たる地位を築き上げた。
クラシックラインの定番「L.U.C」の発表以降は、男性からも高い支持を受けている。ラグスポの「アルパイン イーグル」やレーシングラインの「ミッレ ミリア」も、メゾンを代表するメンズコレクションだ。
ショパールの歩み
もともと時計メーカーとして創業したショパールは、高い精度と芸術的なデザインの時計が人気を博し、名だたる競合がひしめくスイスでも特別な存在として知られていた。
カール・ショイフレ社に買収された1963年以降は、宝飾品市場にも足を踏み入れることになる。時計の伝統技術と高度なジュエリー技術を融合したハイブランドとして、新たなチャレンジが始まった。
ショパールは現在もショイフレ家が経営を担うオーナー企業だ。一流を好むショイフレ家が長期的な展望のもとで方針を決断し、コストを惜しまず真の高級品を生み出し続けている。
高度な専門技術と優れた品質
ショパールは時計大国スイスにおいてもトップレベルの時計製造技術を持つブランドである。1996年には自社工場を設立し、メゾンを代表する高性能機構「L.U.C」を開発した。
ムーブメントから装飾に至るまで、一貫して自社で時計を製造していることも特徴だ。マニュファクチュールで生み出された全ての時計に、優れた品質が約束されている。
創業時から受け継がれた高度な専門技術に宝飾技術を組み合わせ、創造性にあふれる個性的な時計を追求し続けていることが、ショパールの大きな特徴といえよう。
公道カーレースの代名詞「ミッレ ミリア」
ショパールを代表するメンズ時計のひとつ「ミッレ ミリア」は、伝説のカーレース名がモデル名の由来となっている時計だ。ミッレ ミリアが誕生した背景について知ろう。
伝説のクラシックカー耐久レース
ミッレ ミリアはイタリアの伝統的なクラシックカー耐久レースだ。サーキットではなく公道で実施される点を大きな特徴としている。
数々の歴史的なクラシックカーが集まることから、「世界で最も美しいスポーツカーの祭典」とも呼ばれている。1927年から57年までの歴史的なレースに参戦経験がある往年の名車のみが、参加を許されているのだ。
ミッレミリアの歴史
ミッレ ミリアは、ブレシアからローマまでを走るレースとして創設された。レース名の「Mille Miglia=1000マイル」は、当時におけるコースの距離を意味している。
当初はスピードレースとしての側面も持っていたが、中断時期を経て再開されてからは、参加可能な自動車を限定したレギュラーレースとなっている。
ショパール ミッレ ミリアの特徴とは?
カーレースから誕生したミッレ ミリアとは、どのような特徴を持つ時計なのだろうか。ショパール ミッレ ミリアの魅力をチェックしておこう。
クラシックカーを彷彿とさせるデザイン性
ミッレ ミリアのデザインは、実際のクラシックカーをモチーフにしている。往年の名車の内外装やカラーといった特徴を、ディティールに細かく再現しているのだ。
ヴィンテージカーのダッシュボードが再現された文字盤や、レーシングタイヤから着想を得たラバーベルトなど、モデルごとに個性も異なっている。
時計のデザインから数々の名車を連想できるため、クラシックカー好きにはたまらないコレクションといえるだろう。世界中の自動車メーカーとコラボした時計も人気だ。
個性豊かなラインアップ
ミッレ ミリアの特徴としては、多彩なラインアップも挙げられるだろう。1988年の誕生から現在まで、個性豊かなモデルを数多く生み出している。
コレクションのカテゴリは、「クラシック」と「GTS」の2種類に分かれている。1927~40年の名車の美的コードを取り入れたものがクラシック、1941年~57年のレースに参戦したクラシックカーの特徴を反映させたものがGTSだ。
デザインを一新しながら、限定エディションを毎年発表していることも特徴といえるだろう。2021年に発表したクロノグラフモデルにおいては、世界限定33本の希少なエディションもある。
ミッレ ミリアの注目モデルを紹介
ミッレ ミリア コレクションから、注目の人気モデルを紹介する。コレクションの特徴と併せて知っておけば、ミッレ ミリアをより深く理解できるだろう。
「ミッレ ミリア 2021 レース エディション」
自動巻き(Cal.ETA7750)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径44mm、厚さ13.79mm)。100m防水。世界限定1000本。99万円(税込み)。
「ミッレ ミリア 2021 レース エディション」は、2021年に発表された本数限定モデルだ。ヴィンテージカーの計器からインスピレーションを得たベゼルには、タキメーターの細かい表記が刻まれている。
カーフレザーを用いたストラップのデザインも、レースの伝統的なグローブを想起させる。3時位置には、ミッレ ミリアの象徴である「レッドアロー」ロゴが配された。
時計の動作を陰で支えているのは、C.O.S.C認定の高精度ムーブメントである。各個体には限定品ならではのシリアルナンバーが刻まれており、特別感を存分に味わえるだろう。
「ミッレ ミリア バンフォード エディション」
自動巻き。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS+DLC(直径42mm、厚さ12.67mm)。50m防水。世界限定33本。103万4000円(税込み)。完売。
ショパールとバンフォードが手を組んで発表した33本限定モデルが「ミッレ ミリア バンフォード エディション」である。ブラック、ダークグレー、フレームオレンジで構成されており、スポーティーかつ上品なのが特徴だ。
ステアリングホイールが刻まれたリュウズとピストン型のプッシュボタンが、ミッレ ミリアのインスピレーションを呼び覚ます。短いラグとコーデュラ仕上げのストラップにより、快適な装着感を得られるだろう。
約42時間のパワーリザーブを誇るクロノグラフムーブメントは、矢印のロゴマークが刻まれたケースバックから鑑賞可能だ。
「ミッレ ミリア GTS アズーロ クロノ」
自動巻き(Cal.ETA7750)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径44mm)。100m防水。世界限定750本。96万2500円(税込み)。
世界750本限定モデルとして発表された「ミッレ ミリア GTS アズーロ クロノ」は、自動車のダッシュボードから着想を得た文字盤を特徴に持つ。裏蓋には限定シリアルが刻印されている。
イタリア語で青色を意味する「アズーロ」の文字盤が、日付表示窓をフレーミングするレッドアローロゴと美しく調和している。
約48時間のパワーリザーブとストップセコンド機能を持つクロノグラフムーブメントは、2万8800振動/時を誇るC.O.S.C認定クロノメーターである。メゾンの特徴である正確さと上品さを備えたムーブメントだ。
車好きなら一度は手にしたいミッレ ミリア
ショパールのミッレ ミリアは、伝説のカーレースから誕生した時計だ。クラシックカーを連想させるデザインや、個性豊かなラインアップを特徴に持つ。
毎年のように限定モデルを発表していることも、ミッレ ミリアの大きな魅力である。ヴィンテージカーが好きなら、豊富なモデルの中から一生モノの1本が見つかるだろう。
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