ラ・ショー・ド・フォンで創業した時計ブランドのルイ・エラールと、フランス人デザイナーのアラン・シルベスタインが2022年春に3度目となるコラボレーションを果たした。
今回発表されたのは、シルベスタインの特徴として知られた針と"スマイリー"を備えたカレンダーウォッチ、そしてルイ・エラールが得意とするレギュレーターダイアル式ウォッチの2モデルで、どちらも白文字盤にライトグレーストラップを組み合わせている。
2022年5月24日掲載記事
(右)「レギュレーター ルイ・エラールxアラン・シルベスタイン ホワイト」。自動巻き(Cal.SW266-1)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。Tiケース(直径40mm)。10気圧防水。世界限定150本。63万8000円(税込み)。
コラボ第3弾は"スマイリー"のカレンダーウォッチと、レギュレーターダイアル式ウォッチの2モデル
2022年春、ルイ・エラールとアラン・シルベスタインが再び手を取り、コラボレーションモデルを発表した。2019年を皮切りに、2021年と続き、そして3度目となったコラボレーションである。
今回は2モデルの発表となった。「ウィークリーカレンダー ルイ・エラールxアラン・シルベスタイン ホワイト」と、「レギュレーター ルイ・エラールxアラン・シルベスタイン ホワイト」だ。それぞれ世界限定各150本が生産され、これに加えてコレクターズボックス入りの2本組が28セット用意される。
両者によるコラボレーションモデルの人気は留まるところを知らない(もちろんシルベスタインは他のブランドともコラボレーションを行っているが)。どちらも機械好きだったが、ルイ・エラールは未来を模索し、アラン・シルベスタインは自身の存在を探し求めていた。ふたつの時が出会い、運命はひとつとなったのである。
本モデルは、ルイ・エラールの社長でアートディレクターのマニュエル・エムシュがアラン・シルベスタインに再びコラボレーションへ誘ったことで結実し、2022年春に発表へと至った。
セリタの改良版ムーブメントを搭載
2モデルはいずれも自動巻き式で、片方はアラン・シルベスタインを象徴的する要素を備えたカレンダーウォッチだ。もう片方はルイ・エラールが得意とするレギュレーターダイアル式ウォッチである。レギュレーターに関しては、アラン・シルベスタインにも深い考察があり、歴史的に時刻を1本の針で示していたビルや駅舎の時計に思い当たったということだ。
レギュレーターダイアル式モデルは自動巻きキャリバー、セリタ266-1を搭載する。セリタのムーブメントを改良し、丁寧な装飾、ルイ・エラールのラッカー仕上げのシンボルを備えた特別なローター、約38時間のパワーリザーブを備えるものだ。時針は12時位置のカウンターに、分針はセンター、秒針は6時位置のカウンターに配されている。
カレンダーモデルは自動巻きキャリバー、セリタ220-1を搭載する。イエロー、ブルー、レッドの針は、それぞれ秒針、分針、時針に割り当てられる。特徴的なのは6時位置の日付窓上に設けられた"スマイリー"による曜日表示だ。これは実際に何曜日かは示さず、例えば休日が終わった日である月曜日は暗め、待ちに待った日曜日は晴れやかといった気分の変化を、表情で表すというユーモアあふれるものだ。
販売価格はいずれも63万8000円だ。コレクション用ウォッチとしてはエントリー価格であるが、ルイ・エラールとアラン・シルベスタインの前回のコラボレーションが2次市場において支持されることは相場が裏付けている(Chrono24では6000ユーロほど)。
エントリー価格であることはルイ・エラールが掲げる事業信念にも合致している。「現代のアーティストやクリエーターと協調したアートの世界に捧げられたスペシャルシリーズであり、優れた時計製造へのアクセスポイントとなること」であり、これはまさにその通りとなっている。
オパーリンの白文字盤とライトグレーのストラップを除いて、この2モデルは2021年の発表後すぐに完売した2作目の3モデルと同じ外装をまとっている。ケースはチタン製で、マイクロビーズ仕上げ部分にはグレード2、ポリッシュ仕上げ部分にはグレード5のチタンを採用し、トランスパレントバックを組み合わせている。ストラップは通気性に優れたナイロン製で、人間工学に基づいた調整が可能なため、完璧な装着感を実現する。
アラン・シルベスタイン
アラン・シルベスタインの紹介がまだ必要だろうか? アーティストでグラフィックデザイナー、建築家で時計職人でもある。1980年代後半、クリエイティブウォッチのパイオニアとして頭角を現し、アートと時計の融合を大切に守護してきた。
独立系時計ブランドの走りであり、慣習に凝り固まったリスクをあえて取ってきた人物でもある。2010年代の経済不況の打撃を受けたものの、MB&F、ロマン・ジェローム、レッセンスなどと数多くの素晴らしいコラボレーションウォッチを発表し、第一線に戻ってきた。そして再びルイ・エラールを通して大きな人気を博している。今後のコラボレーションにも期待したい。
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