時計用語でよく聞くインターチェンジャブルストラップとは? メリットとデメリットについて解説

2024.12.09

Q:高級メーカーが採用する「インターチェンジャブルストラップ」何がいいの?

最近、多くの高級メーカーが採用するようになった「インターチェンジャブル」という機構。簡単にストラップやブレスレットが交換できることを売りにしていますが、そのメリットとはなんでしょうか?

広田雅将

2022年6月17日掲載記事
2024年12月9日更新


A:工具要らずでストラップを交換できるのが最大のメリット

 最近、高級メーカーにも普及するようになったのが、簡単にストラップ/ブレスレットを交換できるインターチェンジャブル機構です。そもそもウブロが採用したものですが、今ではカルティエ、ルイ・ヴィトン、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲなどもこぞって使うようになりました。

 もちろんそれ以前にも簡単に交換できるストラップはありました。対して新しいインターチェンジャブルストラップは、ケースにしっかり固定できるように進化しました。ストラップに金属製のアタッチメントを設け、それをケースにかみ合わせてしっかり固定する、というように、重い時計に付けても外れにくいのが大きな特徴です。

 通常、しっかりケースに固定するとストラップは外しにくくなりますが、多くのメーカーは、ケースに付いたボタンを押すことで、ストラップの交換をしやすくしています。

パシャ クイックチェンジ

Photographs by Takeshi Hoshi(estrellas)
カルティエの「パシャ ドゥ カルティエ」ではワンタッチ式でブレスレット/ストラップが着脱可能な「クイックスイッチ」システムを採用している。同モデルは工具なしでの気軽なストラップ交換というメリットを最大限享受できるよう、ブレスレットのほかにレザーストラップが最初から同梱されている。

 そのメリットは、専用工具なしで簡単にストラップを交換できること。ルイ・ヴィトンはさまざまなバリエーションのストラップを提供することで、時計の模様替えを用意にしています。


メーカーの純正品以外を付けられないというデメリットもある

 一方のデメリットは、社外品のストラップを選びにくいこと。とりわけ、ストラップに金属製のアタッチメントを備えたタイプのものは、基本的には、そのメーカーの純正品以外を選ぶことができません。

 頑強で使い勝手に優れるインターチェンジャブルストラップ。しかし、自分ならではのストラップを使いたい人は、そのメリットとデメリットを考える必要がありそうです。

IWC パイロット・ウォッチ マーク XX

IWC「パイロット・ウォッチ・マーク XX」Ref.IW328204
IWC独自のインターチェンジャブルシステムが「EasX-CHANGE®システム」だ。2021年より、「パイロット・ウォッチ」コレクションに搭載されている。なお、マーク XXのコマは、付属の専用工具で簡単に分解し、取り外すことができることも特筆すべき点だ。自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。100m防水。100万1000円(税込み)。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ グリーンダイアル

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・デュアルタイム」Ref.7920V/210R-B965
ヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」にも、工具なしで交換可能なインターチェンジャブルシステムが備わる。付属のラバーストラップやレザーストラップと、気分に合わせて付け替えできるのがうれしい。自動巻き(Cal.5110 DT)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径41mm、厚さ12mm)。15気圧防水。1126万4000円(税込み)。


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