Q:ブレスレット調整を時計店に任せた方がいい理由とは?
よくブレスレットのコマ調整は自分でやらずに、時計店やメーカーに任せるべきと言われます。ピンを叩いたり、ネジを回せば簡単に外せるような気もしますが、なぜ素人は触らない方がいいとされるのでしょうか?
Photographs by Eiichi Okuyama
2022年6月24日掲載記事
2022年6月24日掲載記事
A:ブレスレットを傷つけること可能性が高いから
時計好きなら興味のあるブレスレットの長さ調整。しかし、最新のモデル以外は、自分で調整するのは止めたほうがいいでしょう。専用のツールがあればコマの長さは変えやすいですが、素人が触ると、大抵はブレスレットを傷めます。一番難しいのは、ネジ留め式ブレスレット。簡単に調整できそうに思えますが、きちんとしたメーカーであれば、外れにくいよう、ブレスレットにネジ止め剤を塗ってあります。そのため、普通の人が触っても、なかなか外せないのです。
ネジ留めブレスレットの場合、ネジにはネジ止め剤(ネジゆるみ止め剤)が使用されるケースが多いため、見た目以上に外すことが困難だ。慣れていない人間が無理に回すと、ネジ山を潰してしまう恐れもある。
ですから、ブレスレットの交換だけでなく、長さを調整する場合も、できれば時計店に持っていってください。その際は安く済ませようとするのではなく、できれば時計師やブレスレット調整に慣れた人のいる店を選ぶこと。交換や調整の費用を安く抑えようとして、時計が傷だらけになった、というトラブルは決して少なくないのです。とりわけ、セラミックス製ブレスレットは、ドライバーの当て方が悪いと簡単に欠けてしまいます。必ず専門店やメーカーに任せるべきでしょう。
素人でも調整できるように設計されているものも存在
「サントス ドゥ カルティエ」や「パシャ ドゥ カルティエ」などでカルティエが採用する「スマートリンク」は、コマに内蔵されたボタンを押すことでピンが取り出されるため、コマ調整が簡単に行えるというもの。同様の機能はIWCの一部のモデルやA.ランゲ&ゾーネの「オデュッセウス」などでも用いられている。
ちなみに、簡単にコマが調整できるようブレスレットを設計しているメーカーもあります。例えばカルティエやIWC。付属する専用工具を使ってピンを押すと、ブレスレットの長さを簡単に変えられます。もっとも、こういった凝ったブレスレットを採用できるメーカーはまだまだ限られています。
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