「アクアタイマー」は、1967年に発表されたIWCのダイバーズウォッチコレクションだ。1960年代に米国でマリンスポーツの人気が高まり、本格的な防水機能を備えた時計が求められたのをきっかけに製作された。半世紀を経てなお愛好家の心をとらえる、IWCのアクアタイマーの魅力に迫る。
IWC「アクアタイマー」とは?
「アクアタイマー」は、スイスを代表する高級時計メーカーIWC(International Watch Company)から、1967年に発表されたダイバーズウォッチである。発表された時点で、200mの防水性能と回転式ベゼルを搭載している高性能なダイバーズウォッチとして注目された。IWCの6種類の伝統的なコレクション(ポルトギーゼ、パイロット・ウォッチ、ポートフィノ、ダ・ヴィンチ、インヂュニア、アクアタイマー)の中のひとつでもある。
アクアタイマーの特徴
アクアタイマー最大の特徴が、インナー回転式ベゼルである。一般的なダイバーズウォッチは、ベゼル部分の回転式ベゼルを手動で操作することになるが、アクアタイマーのベゼルは風防内のダイアル外周部にあり、リュウズで操作する仕組みになっている。
この機構により、スッキリとしたデザインを実現しており、一般的なダイバーズウォッチよりも、よりスタイリッシュな外観になっている。またベゼルが風防内になるため、外部からの衝撃からベゼルを守る設計になっている。
最もスタンダードな、アクアタイマーの3針+カレンダーモデル。ケースの直径は42mmで着用しやすく、30気圧の防水性能を備えている。幅広いシーンになじむオールマイティーな1本だ。自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。30気圧防水。89万6500円(税込み)。
アクアタイマーの歴史
アクアタイマーが製作された背景には、1960年代の米国でのマリンスポーツ人気の高まりがある。マリンスポーツを楽しむ機会が増えたことから、本格的な防水機能を備えた時計が求められるようになったからだ。
当時、一般的に流通していたダイバーズウォッチには、逆回転防止ベゼルではなく、リュウズで操作するベゼルを採用していた。
発表当時から高性能ダイバーズウォッチとして評価されていたアクアタイマーも、時代とともに進化を重ね、さまざまなモデルが登場した。当時は200mだった防水性能は最大2000mまで強化され、デザインもより洗練されたスポーティーなものとなっている。
現在では、パイロットウォッチ、ポルトギーゼに次ぐ人気シリーズといえるだろう。特に30代~40代からの人気が高く、ビジネスシーンで着用される方が多いのも特徴である。