ヴァシュロン・コンスタンタンは、世界三大時計ブランドのひとつに数えられている。265年を超える歴史は伊達ではない。この記事では、ヴァシュロン・コンスタンタンが築き上げてきた歴史と人気の秘密をひもといていく。ヴァシュロン・コンスタンタン屈指の人気コレクションについても解説する。
世界三大時計ブランド、ヴァシュロン・コンスタンタンとは?
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ヴァシュロン・コンスタンタンは、パテック フィリップやオーデマ ピゲと並ぶ世界三大時計ブランドのひとつとして数えられている。スイス時計の名門ブランドであり、長い歴史と格式の高さは、他の高級時計ブランドとは一線を画している。
この世界三大時計ブランドは、いずれも長い歴史と伝統を誇っているが、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史の長さは他ふたつのブランドを凌ぐ。これら三大ブランドは、多少の背伸びではまったく手の届かない存在であることから、敬意を込めて「雲上ブランド」と呼ばれている。
創業265年超え、ブランドの歴史を振り返るく
これまでの長い歴史の中でヴァシュロン・コンスタンタンはどのようにブランドを成長させてきたのだろうか? 創業から現在までの歴史を振り返ってみよう。
ブランドの始まり
1755年9月17日、スイス・ジュネーブの地にヴァシュロン・コンスタンタンは誕生した。創業者は当時24歳の熟練時計職人、ジャン=マルク・ヴァシュロン。彼が見習い職人を雇うことをきっかけにブランドは始まった。
驚くべきことに、創業年と同じ年にジャン=マルク・ヴァシュロンが製作した懐中時計が現在も残されている(トップ画像参照)。銀製のケースに収められたムーブメント。テンプ受けには、イスラム美術の一種であるアラベスク装飾が施されており、彼の高い時計技術と優れた美的センスがうかがえる。
世界的時計ブランドとなった秘密
その後、ジャン=マルクの技術は2番目の息子であるアブラアンへと受け継がれる。息子・アブラアンは、フランス革命やジュネーブ併合による激動の中でもブランドを途切れさせることなく守り抜いた。
1810年には、ジャン=マルクの孫であるジャックがブランドを継承。ジャックがブランドを継いでからというもの、音楽の鳴る時計をはじめとしたさらに複雑な時計をつくりはじめた。
また、ジャックの経営者としての働きは凄まじく、時計の販路をフランスやイタリアにまで拡大させる。時計の輸出をきっかけに出会ったのが、商人のフランソワ・コンスタンタンだ。
1819年、ジャックはフランソワのビジネスセンスに惚れ込み、フランソワはもともと時計商人であり、時計に情熱を注いでいたことから、経営を共にすることとなり、現在の「ヴァシュロン・コンスタンタン」へと進化したのだ。
共同経営者となったフランソワの活躍により、輸出範囲をさらに拡大。ヴァシュロン・コンスタンタンの名は、世界中へと広がった。
「雲上ブランド」となった現在
1906年、ローヌ川の中洲ケ・ド・リルにある本社1階にブティックを開いた。このブティックがあった建物は現在も健在である。2004年までヴァシュロン・コンスタンタンの本社が入っていたが、現在はプラン・レ・ワットに本社を移している。
創業者であるジャン=マルク亡き後、国が激動する最中も、ブランドを継承したアブラアンやジャックは止まることなく進み続けた。また、その後もヴァシュロン一族が経営を継承し続けた結果、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史に空白のページが生まれることなく、現在にまで至る。
歴史をひもといていくと、雲上ブランドとよばれる所以がよく理解でき、その理由にも強く頷ける。