1918年の創業以来、時計開発への挑戦を行ってきたシチズン。その結晶として誕生した、陸・海・空のプロフェッショナルのためのブランドが「プロマスター」だ。その中から今回は、「空」であるパイロットウォッチについて紹介しよう。
シチズン時計のプロマスターについて
日本の時計メーカー「シチズン時計」から発売されているプロマスターシリーズ。
機能性や耐久性、安全性にこだわったプロフェッショナルのスポーツウォッチとして1989年に誕生したブランドだ。「海・陸・空」の各フィールドで高い性能を持ち、時計ファンを魅了している。
海・陸・空を楽しむ腕時計
シチズン時計のプロマスターは、海・陸・空それぞれの過酷な環境下に耐えうるタフさと、各専門分野で要求される機能性を備えている。
たとえば、海で活躍するダイバーズウォッチは200m〜飽和潜水1000mと防水性能を選ぶことができ、また、モデルによっては水深計も搭載する。陸で活躍するフィールドウォッチは、高度計や方位計を装備したり-20℃まで耐久できたりと、冒険家のためのスペックを備える。そして、空で活躍するパイロットウォッチには航空計算尺やワールドタイム機能が搭載されている。
パイロットウォッチに使われている技術
シチズン時計のパイロットウォッチにはシチズン時計独自の技術を採用し、プロマスターが登場して30年以上経った今でも、まだまだ開発が続けられている。そこで2024年現在の最新技術はどのようなものか紹介しよう。
スーパーチタニウム™
加工の難しい素材であるチタニウムだが、シチズン時計では独自の表面硬化技術「デュラテクト」を施し、ステンレスの5倍以上の硬さの「スーパーチタニウム™」を開発。さらに、長年の加工技術の経験を駆使し、ケースに美しくシャープな面をもたせている。
チタニウム自体の軽量・サビにくい・肌に優しいという特徴にさらに、傷がつきにくいという長所を付与した素材である。
衝撃検知機能
衝撃を受けた際の針ズレを防ぐのが、シチズン独自の「衝撃検知機能」だ。衝撃を受けるとモーターに電気信号が流れ、ローターを一瞬でロックし、約1,000分の1秒後に再び針を動かし始める。
この、クルマのエアバッグのような機能により、過酷な環境の中でも常に正しい時間を知ることができるのだ。
エコ・ドライブ
ほとんど全てのプロマスターの動力源は、光だ。シチズン時計が独自に開発した光発電技術「エコ・ドライブ」では、太陽光はもちろん、室内のわずかな光でも電気に換え、フル充電後は光がなくても6カ月以上動き続ける(一部対象外のモデルもある)。
ハイスペックな機能も賄えるよう省電力化も追求されているため、光がある限りどんな環境でも動き続ける。
シチズン時計のパイロットウォッチの種類は?
2024年5月現在、シチズン プロマスターのパイロットウォッチはバリエーション豊富に展開されている。
エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト Geo Trekker
プロマスター誕生35周年にあたる2024年、新コレクションとして追加された「Geo Trekker(ジオ・トレッカー)」。新開発ムーブメントCal.H864を搭載する。
光発電エコ・ドライブ(Cal.H864)。フル充電時約2.5年間駆動(パワーセーブ作動時)。SSケース(直径46.0mm、厚さ11.5mm)。20気圧防水。各9万9000円(税込み)。
高機能パイロットウォッチとして発売されている「エコ・ドライブ電波時計」。夜光や航空計算尺といったパイロット向けの機能のほか、世界24都市の時刻に素早く切り替えるダイレクトフライト機能も搭載されるのでジェットセッターにもオススメだ。標準電波を受信し、正しい時刻に自動で修正するほか、エコ・ドライブを搭載しているので電池交換の手間がない。衝撃に強く、時計の針のズレを防ぎ、いつでも正確な時刻を確認可能である。
本作は、シチズン プロマスター誕生35周年の節目にあたる2024年、新たに追加された「エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト Geo Trekker」だ。
この新コレクションは、シチズンが新開発したムーブメントCal.H864を搭載していることが大きな特徴だ。6時位置のインダイアルに、北半球が描かれたUTC円板針が配されており、この円板針は86400秒間(24時間)で1回転する。リング上のスケールに世界各地の名前を合わせることで、北半球にある地域の大まかな時刻を確認することができるのだ。
プロマスターの、プロユースの多機能さを思わせる意匠はそのままに、各都市表記や円板部のスケールなどに、古地図や航空図でよく見られるフォントを採用していることも特筆すべき点だ。このディテールは、世界の開拓が進んだ1600年代をほうふつとさせる。
SKYシリーズ エコ・ドライブ電波時計(ワールドタイム機能)
朝焼けの色に着想を得た、ワインレッドベゼルのモデル。文字盤やケース、ブレスレットをダークトーンで統一することで、カラーが際立つ仕上がりに。光発電エコ・ドライブ。光発電3年(パワーセーブ作動時)。SS(直径45.9mm、厚み13.7mm)。20気圧防水。8万8000円(税込)。
業界的にカラーの多様化が進む中で、空の色から着想を得た3モデルも展開される。朝焼けのワレインレッド、オーロラのグリーン、真夜中の深いブルーだ。
いずれも深みのあるカラーが魅力的だが、特に艶っぽいのがワインレッドのCB5009-55E。ケースとブレスレットにグレーのメッキを施すことでワインレッドの色味を際立てている。
ブルーエンジェルスモデル エコ・ドライブ電波時計(ワールドタイム機能)
アメリカ海軍所属のアクロバット飛行隊「ブルーエンジェルズ」とのコラボレーションモデル。空を駆ける機体のブルー×イエローのカラーを各所にあしらっている。光発電エコ・ドライブ。光発電3.5年(パワーセーブ作動時)。SS(直径45.4mm、厚さ14.5mm)。20気圧防水。9万4600円(税込み)。
アメリカ海軍所属のアクロバットチーム「ブルーエンジェルス」とのコラボレーションモデルもラインナップ。文字盤に機体のカラーとネーム、ケースバックには部隊エンブレムを配している。
航空計算尺や、43時差のワールドタイム機能のほか、世界4地域(日中米欧)の多局電波受信可能な「パーフェックスマルチ3000」という独自技術も搭載する。同ラインでは、ブレスレットやレザーストラップなど3モデルが発売中。
メカニカルGMT
自動巻き(Cal.9054)。24石。2万8800振動/時。平均⽇差−10〜+20秒。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径44.5mm、厚さ12.7mm)。20気圧防水。13万2000円(税込み)。
エコ・ドライブ光発電をはじめ、クォーツ式ムーブメントの印象が強いシチズンだが、2021年より機械式ムーブメントを搭載したコレクションを拡充している。シチズン プロマスターにも、2024年1月に「メカニカルGMT」が登場した。
搭載されるCal.9054は、前年に登場している「シチズン シリーズエイト 880 メカニカル」にも採用されているムーブメントだ。GMT針を使って、現在地のほか、第2時間帯を表示させることができる。また、第2種耐磁性能を備えているため、磁気にあふれる現代社会においても、優れた実用性を発揮してくれる。
シチズン プロマスターらしい視認性の高い文字盤や堅牢なケースと相まって、購買意欲を刺激するパイロットウォッチといえるだろう。
シチズン時計のパイロットウォッチを選ぶ
たくさんのブランドで、さまざまなパイロットウォッチがラインナップされているが、シチズン時計のパイロットウォッチには、「スーパーチタニウム™」や「衝撃検知機能」や「エコ・ドライブ」といった頼もしい独自機能が搭載されている。
価格も手頃なモデルがそろうので、ファーストパイロットウォッチとして、良い選択肢になるはずだ。
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