スイスの名門時計メーカー、ヴァシュロン・コンスタンタンの代表モデルが「オーヴァーシーズ」だ。時計業界でも屈指の歴史を持つ老舗メーカーが1996年に発表したスポーティーさが人気のオーヴァーシーズについて、詳しく見てみよう。
ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズとは
ヴァシュロン・コンスタンタンの中ではスポーツタイプに分類され、高い実用性があるオーヴァーシーズ。まずはその歴史や特徴をひもといて紹介する。
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」の歴史
オーヴァーシーズは突如生まれたモデルではなく、実は前身モデルがある。ヴァシュロン・コンスタンタン創立222周年を記念して1977年に作られた「222」だ。
222も、オーヴァーシーズと同様にスポーティーな時計として作られた。当時から高い防水性と薄さを兼ね備えなど、オーヴァーシーズと共通するコンセプトを持っていた。
222は1970年代頃から頭角を表したクォーツ時計に対抗すべく打ち出した1本だった。この222がヒットしたことで、その後のヴァシュロン・コンスタンタンにおけるスポーティーモデルの方向性が確立した。
その後、1980年代の「333」、1990年代の「フィディアス」を経て、1996年にオーヴァーシーズが登場した。
オーヴァーシーズは、1996年に登場してからも度々デザインのアップデートが施されている。2004年に第2世代、2016年に第3世代のオーヴァーシーズが登場し、その間にベゼルの突起部分が8つから6つに変わるなど、そのデザインは洗練され続けている。
ケースサイズも第1世代が37mm、第2世代が42mm、第3世代が41mmと、時計業界のトレンドに合わせて細かくアジャストさせている。
オーヴァーシーズのように、歴史あるデザインに積極的に手が加えられていくことは、老舗ブランドとしては珍しい傾向だ。時代に合った新しい価値を見出す姿勢こそが、ヴァシュロン・コンスタンタンに不動の人気をもたらしたのかもしれない。
ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの特徴
ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの特徴は、スポーティーなデザインと、高い防水性や高い耐磁性だ。
ベゼル、文字盤、ブレスレットにマルタ十字のロゴが使用することで、ヴァシュロン・コンスタンタンのブランドイメージを強める象徴的なデザインも特徴で、美しいディテールを誇る。
ラッカー仕上げが施されたダイアルや高さのあるインデックスにより、視認性も非常に高い。ダイアルの外周にはカウンターレールが配され、時刻が判読しやすい設計だ。
オーヴァーシーズを購入すると、ステンレススティール製または、ピンクゴールド製のブレスレットに加え、ラバーとレザーの2種類のストラップが付属する。インターチェンジャブル機構を採用しており、ワンタッチで簡単に付け替えることができる。
ブレスレットの付け替えは専用の工具を使う必要がないため、ストラップさえ携行していれば旅先でも素早く変更できる。季節や気分によってスタイルを変更できるのも、長く楽しむのに魅力的なポイントだ。
ビジネスシーンにはエレガントな印象を与えるアリゲーターストラップ、ラフなシーンで腕元をカジュアルに見せたいなら軽やかなイメージのラバーストラップが良いだろう。
第2時間帯が確認できるデュアルタイムモデルや、世界37地域の時刻が分かるワールドタイムなど、モデルの違いで機能性も大きく向上するので、世界の時間を意識する際には見逃せないポイントだ。