2022年に発表された時計の中を対象にベスト5を決めるとしたら、時計通はどんなモデルを選ぶか? Youtubeの人気動画シリーズ「腕時計魂」で活躍する“ロック福田”こと時計ライター兼編集者の福田豊は、オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン」やロレックスの「オイスター パーペチュアル デイデイト 36」など個人的に欲しいモデルをピックアップした。
1位:オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン」
今日の高級時計の仕上げの素晴らしさを体感できる最良の1本。ことにヘアラインが出色。触れると指先が切れそうな深い筋目は、かつてのゴールドモデルを凌駕する精緻さで、それをステンレススティールでやってしまっていることに驚きを超えた凄みを感じる。各部のエッジの鋭さも感服。そして極私的にはオリジナルとほぼ変わらないデザインが引き継がれたことが何よりもうれしい。
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自動巻き(Cal.7121)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径39mm、厚さ8.1mm)。5気圧防水。385万円(税込み)。(問)オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000
2位:パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF GMT ラトラパンテ」
8時位置のプッシュボタンで時針を進めると下からゴールドのGMT針が出現。リュウズ先端のゴールドのボタンを押すと時針がGMT針の上位置に戻る独特の「ラトラパンテ」機構を搭載。デイトも、ナイト&デイも、24時間針もないシンプルさが美しくドレッシー。「ホームは大切なところだからゴールドで表した」というグイド・テレーニCEOのセンスもエレガントだ。
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自動巻き(Cal.PF051)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS×Ptケース(直径40mm、厚さ10.7mm)。60m防水。328万9000円(税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
3位:ブルガリ「オクト フィニッシモ 妹島和世 限定モデル」
世界的建築家である妹島和世とのコラボレーションモデル。妹島のデザインした風景に溶け込む列車を範に取ったというミラーポリッシュ仕上げが斬新。それを始め、ミラーダイアルや、ドット入りのサファイアクリスタル風防など、妹島の建築スタイルを巧みにオクト フィニッシモに融合したのが、さすが建築に造詣の深いファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニの素晴らしさだ。
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自動巻き(Cal.BVL138)。36石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40mm、厚さ6.4mm)。100m防水。世界限定360本。177万1000円(税込み)。(問)ブルガリ ジャパン Tel.03-6362-0100
4位:ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 36」
プラチナモデルで初のフルーテッドベゼル。ダイヤルがロレックスのプラチナモデル専用カラーであるアイスブルーというのもチャームポイントだ。そしてプラチナケース&ブレスレットでこの価格というのがロレックスの誠実さというか大きな魅力。あのブランドとかあのブランドなら軽く1.5倍はするでしょうからね。40mmのモデルもあるが、個人的には断然こちらの36mmが良い。
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自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径36mm)。100m防水。
5位:チューダー「レンジャー」
チューダーのモデルはほかの多くもそうだけど、39mm、デイトなし、シースルーバックではない、というのが好み。加えて筆者は、3、6、9、12のアラビア数字インデックスというのが大好物で、レンジャーは完璧だ。“T-fit”クイックアジャストクラスプ採用のブレスレットも魅力だが、やはりフランスの飾り紐会社製のフェブリックストラップで着けこなしたい。
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自動巻き(Cal.MT5402)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。37万1800円(税込み)。(問)日本ロレックス/チューダー Tel.0120-929-570