スポーツシーンにも活躍するオールラウンダー！ユンハンス「マイスター S クロノスコープ」着用レビュー

ユンハンスの「マイスター クロノスコープ」コレクションに、新シリーズ「マイスター S クロノスコープ」が加わった。今回レビューするのは、限定モデルのマイスター S クロノスコープ。防水性能に優れた外装に高精度のムーブメントを搭載し、頑丈なストラップを組み合わせたこのモデルは、スタイリッシュなデザインと堅牢さを兼ね備えたオールラウンダーだ。

ユンハンス「マイスター S クロノスコープ」限定モデルをテスト

　クラシックな要素を備える、ユンハンスの人気コレクション「マイスター クロノスコープ」。新シリーズの「マイスター S クロノスコープ」は、スポーツシーンだけでなく、よりタフな日常生活にも対応できるようデザインされている。

　このシリーズには数々の革新的な技術が投入され、ブラックPVDコーティングが印象的なステンレススティール製ケースは、既存モデルより大きい直径45mmに拡大されている。

ブラックを基調としたスポーティーなデザイン

　文字盤は、ドーム型のフォルムとくぼんだ積算計はそのままに、レッドカラーの蓄光塗料とシースルー仕上げの時分針によって、スポーティーでモダンな印象に仕上げられている。ケースは曲線的な形状で、ねじ込み式リュウズをしっかりと固定するリュウズガードが採用された。

　ユンハンスは、マイスター クロノスコープのデザインコードのひとつである楕円形のプッシャーを本モデルでも継承している。新しいケースサイズに合わせて、これらの制御系パーツも大きくなった。ケースは、赤いステッチ入りのレザーとラバーを組み合わせたストラップとなだらかに繋がる。

　ダイナミックなデザインのストラップには、ケースと同じブラックPVDコーティングを施したステンレススティール製のフォールディングクラスプが組み合わされている。ストラップの裏側には「JUNGHANS MEISTER S」のレリーフが施され、エキサイティングな印象を与えるだけでなく、暑い日やスポーツをするときに十分な通気性を確保することができる。

　ユンハンスのトレードマークである八芒星のマークが配されたケースバックも、新しい要素のうちのひとつ。

　また、両面無反射コーティングの施された湾曲したサファイアクリスタル製風防を備えている。防水性能は200mで、マリンスポーツでも安心だ。

クロノグラフムーブメント「キャリバーJ880.1」を搭載

　搭載されるキャリバーJ880.1は、ヴァルジュー7750をベースとした、約48時間のパワーリザーブを持つクロノグラフムーブメントだ。今回レビュー用に着用したモデルは、円滑かつ正確な動きを見せた。

　クロノグラフ非稼働の通常の状態で、日差は-4.2秒であり、姿勢差はわずか4秒に収まった。クロノグラフを稼働させても値はほぼ変わらず、日数を経るに従い5.3秒、姿勢差は6秒となった。7週間の着用テストにおける計時機能は、常に日差4秒で推移した。

世界888本の限定モデル

　今回紹介したモデルは、世界で888本のみの限定モデルになっており、価格は45万6500円（税込み）。他にも通常モデルとして、7連のステンレススティール製ブレスレットを組み合わせた2モデルが展開されており、こちらは41万8000円（税込み）である。しかし筆者のおすすめは、多くの魅力を備えているこの限定モデルだ。

　特別な仕掛けは、PVDコーティングの施された見返し部分にある。ここにはデザインをさらに際立たせる、細いながらも効果的なシルバーカラーの目盛りがあしらわれているのだ。さらに5分単位にはフライス加工のアワーインデックスと赤い蓄光塗料が施されている。

　赤い蓄光塗料に関しては、従来のグリーンのスーパールミノバと比べると発光が弱いため、暗所での視認性においては少々妥協が必要だ。なお、ストップセコンド針や3時と9時位置のインデックスには、従来のスーパールミノバが塗布されている。

　また、今回着用したモデルでは、ラグ近くの6時側のストラップで赤いステッチがほどけ、縫い目ひとつ分程度短くなってしまったことも残念だった。しかしこれは筆者の着用モデルがたまたまそうなってしまっただけであり、さほど深刻な問題ではないかもしれない。それを凌ぐほどの楽しみを、このマイスター S クロノスコープは与えてくれる。

　刺激的なデザインと堅牢な作りが非常に魅力的なモデルであり、日常使いはもちろん、スポーツ時にも適している。まさにオールラウンダーなのだ。