2022年9月、パテック フィリップはジュエリーデザインや宝石セッティングを行うサラニトロ社の株式を取得した。この株式取得により、パテック フィリップが宝石をあしらった時計などの生産を強化する可能性が見込まれる。
2023年1月4日掲載記事
パテック フィリップがジュエリーデザイン会社「サラニトロ」に資本参加
2022年9月、パテック フィリップはジュエリーデザインや宝石セッティングを行うスイスの会社「サラニトロ(Salanitro)」の株式を取得した。この買収は単なるパートナーシップの締結に留まらず、ジュネーブに拠点を置くふたつの独立したファミリービジネスが、緊密な協力体制となったことを意味する。
1990年創業のサラニトロは、スイスの高級時計業界におけるジュエリーデザインや宝石セッティングを牽引する1社だ。
創業当時からジュネーブを拠点とし、一流ブランドの仕事を担ってきた。プレスリリースによると同社は「創造性、革新性、品質、職人技、伝統の尊重、サービス、顧客に対する責任感、さらには独立心と家族精神を常に好んできた」企業であると記されている。
この精神に基づき、パテック フィリップはサラニトロの長期的なパートナーになるだけでなく、サラニトロが世代を超えて安定的かつ継続的に未来を展望できるよう、その支援を行うことを目的としている。
パテック フィリップの社長ティエリー・スターンは「今回の買収は、私たちと親交があり、卓越性、独立性、ファミリー精神という同じ価値観を共有するサラニトロの持続と継続に貢献する素晴らしい機会だと考えています」とコメントしている。
そして「(サラニトロ社長兼CEOである)ピエール・サラニトロとの関係性を更に強くできることに喜びを感じています。順調な展開を続ける彼の会社は、大きな開発余地のあるジュエリーウォッチの分野において将来性があり、生産性を高めていくために理想的な位置にあります」と付け加えた。
ピエール・サラニトロは「パテック フィリップは長期的な展開を見据えた上でも理想的なパートナーであると思います。ティエリー・スターンとそのチームには相互の活動と、この先何世代もの雇用を保証していくことに対し、深い信頼感を持っています」と答えている。
現在56歳のピエール・サラニトロには3人の子供がいるが、彼らはサラニトロ社の経営に携わらないことを望んでいる。そのため、ピエール・サラニトロは同社の社長兼CEOとして、230人の従業員を抱える会社の舵取りを続けている。
今回の契約は、彼にとってこれまで築き上げてきたものを長期的に継続し、同社の顧客が優れたサービスを今後も受けられることを意味している。
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