腕時計のプロによる2022年新作時計のベスト5。人気Youtubeチャンネル「ウォッチ情熱応援団」でMCを務める団長は、超複雑機構を搭載するユリス・ナルダン「フリークS」を1位に選出した。ここに挙げた5本の時計は、いずれも団長を深い時計沼に引きずり込むきっかけとなったモデルだ。
1位:ユリス・ナルダン「フリークS」
天才たちの共演、ユリス・ナルダンの技術の結晶。ダブルオシレーターにデファレンシャル機構を組み合わせた設計は、超が付く複雑機構。しかし、機能としては、時間と分しか分からない。それがいい。見えない時の流れの可視化。「時間とは一体?」という哲学とともに楽しみたい作品。
自動巻き(Cal.UN-251)。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。セラミックス×Ti×18KRGケース(直径45mm)。50m防水。世界限定75本。価格要問い合わせ。(問)ソーウインド ジャパン Tel.03-5211-1791
2位:パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF GMT ラトラパンテ」
ボタンひとつで第2時間帯の表示/非表示が切り替わるミニマルなGMT機構を、やはり控えめでミニマルな“ラグスポ”(変な表現だが)に納めた作品。文字盤のギヨシェも美しく、しかし華美になり過ぎていないのが素晴らしい。パルミジャーニ・フルリエのブレない美学を堪能できる1本。
自動巻き(Cal.PF051)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS×Ptケース(直径40mm、厚さ10.7mm)。60m防水。328万9000円(税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
3位:ジャガー・ルクルト「ポラリス デイト グリーン」
ジャガー・ルクルト「ポラリス」の新色は、グリーンにもブロンズにもブラウンにも見える摩訶不思議なカラー。文字盤中央の強いサンレイは特に素晴らしい出来映え。ショーケースにいる時は地味で大人しいが、手に取った瞬間に化ける。元々機械に定評のあるブランドだが、近年は外装や文字盤デザインの進化も凄まじい。
自動巻き(Cal.899AB)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.92mm)。20気圧防水。124万800円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833
4位:チューダー「ペラゴス 39」
性能はもちろん、何より素晴らしいのは、手首に張り付くような着け心地の良さ。グレード2チタンの荒々しい外観を活かした、実用的かつ楽しいデザイン。昨年のFXD同様、風防と文字盤間のギャップを小さく抑え、ケース厚を12mm以下に収めている点も良い。毎日使いたくなる都会的ツールウォッチ。
自動巻き(Cal.MT5400)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Tiケース(直径39mm)。200m防水。53万7900円(税込み)。(問)日本ロレックス / チューダー Tel:03-3216-5671
5位:ブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー」
ダイバーズウォッチにフルカレンダーって要ります?(笑)。レッドゴールドのケースに敢えてのキャンバスストラップ。シンメトリーの端正な文字盤にファニーな表情のムーンフェイズ。いろいろとアンバランスな組み合わせを、ギュッとひとまとめにして整えてしまった作品。最高に面白い。伝統と異端の見事な融合。
自動巻き(cal.6654.P)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRG(直径43mm、厚さ13.4mm)。サファイアケースバック。300m防水。369万6000円(税込み)。(問)ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233