近年急成長している、高級腕時計の二次市場。スイスの老舗時計ブランド、ゼニスはこの市場に目を向け、2020年より「ゼニス アイコンズ(ZENITH ICONS)」というヴィンテージ専門のコレクションを展開している。22年には、1960年代と70年代の同社を象徴するモデルをラインナップした第2弾が披露された。
2023年1月18日掲載記事
1960年代、70年代のゼニスを象徴するモデルが登場
2022年11月にゼニスは、スイス・ジュネーブで開催されたヴィンテージの高級商材や中古品、コレクターズアイテムに特化したイベントで、ゼニスの認定中古を展開する「ゼニス アイコンズ(ZENITH ICONS)」の第2弾を発表した。
20年に初導入されたゼニス アイコンズでは、1960年代と70年代の同社を象徴する、希少で人気の高いタイムピースが取り扱われている。
時計ブランドがヴィンテージモデルを自ら販売するのは正当なことだ。ヴァシュロン・コンスタンタンや、F.P.ジュルヌは、この重要性を他ブランドに先駆けて認識しており、数年前からすでに自らのカタログで中古品やコレクションの再販を行っている。
ゼニス アイコンズの展開は、ゼニスの実店舗とオンラインブティックに限定され、カプセルコレクションにまとめられている。これらのヴィンテージウォッチは同社が自ら調達、復元、認定を行ったものだ。ヘリテージ部門は、同社が製造したあらゆる時計の歴史をたどり、すべての部品が100%オリジナルであることを保証する。
これはヴィンテージウォッチという不透明で手を出しにくい世界において、コレクターに安心感と透明性を提供することを目的としている。
ゼニス アイコンズの第1弾では、最も象徴的な1969年の初代エル・プリメロに注力されていたが、第2弾ではその次の世代のフラッグシップモデルが展開されている。
世界最初期の自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を搭載した最初のリファレンスでは、プロポーションの繊細さや優美さに焦点が当てられていたが、次の世代ではムーブメントに機能が追加されたモデルなどが採用されている。
Ref.A782
Ref.A781、A783とともにエル・プリメロの第2世代として発表されたRef.A782は、1970年代に流行した近未来的なデザインを採用し、重力から解放された人類と時計製造の新時代を象徴するようなモデルだ。
高振動の自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロを、堅牢性を特徴にした「デファイ」シリーズに初めて搭載したモデルでもある。
Ref.A782は、縞模様のインデックスと鏡面仕上げのフランジを備えたグラデーションブルーの文字盤、14面ベゼルとねじ込み式リュウズを備えたステンレススティール製トノーケース、そして有名なゲイフレアー社が初期に手掛けた一体型ステンレススティール製「ロブスター」ブレスレットが特徴である。生産数はわずか1000本だった。
Ref.A788
エル・プリメロの第2世代モデルのなかでも、Ref.A788、A787、そしてG787は独特な膨らみのあるクッションケースが特徴で、スペースエイジのデザインを踏襲したフォルムを備えている。
Ref.A788は、流麗なラインとラグが見えないヘアライン仕上げの8角形のクッションケース、ガルバニックブルーの文字盤、シルバーカラーのクロノグラフカウンター、そしてタキメータースケールとパルスメータースケールの採用が特徴で、極めて未来的なデザインのモデルである。
Ref.A7817
エル・プリメロの第2世代に加えられたRef.A7817は、ムーンフェイズ付きのコンプリートカレンダーを初めてキャリバーに組み込んだモデルで、「エスパーダ」ライン初の公式モデルとなった。
Ref.A7817は、エル・プリメロの精度の高さとデファイの堅牢性を組み合わせたモデルで、14面ベゼルとねじ込み式リュウズを備えたステンレススティール製トノーケース、第2世代の一体型の「ロブスター」ブレスレット、ガルバニックブルーのカウンター、タキメータースケール、ストライプ入りのアプライドインデックスに、ムーンフェイズとコンプリートカレンダーを表示するシルバーカラーの文字盤を組み合わせている。
Ref.01.0140.415
エル・プリメロの第2世代の中でも特に希少なRef.01.0140.415は、たった500本のみ生産されたモデルだ。当時の近未来的なデザインを取り入れており、このモデルにもスペースエイジの片鱗が見て取れる。より立体的でボリューム感のあるケースに、ガルバニック加工でタキメーターを備えたブルーベゼルを組み合わせ、当時の他のモデルと一線を画したデザインだ。
これらの特徴に加え、蓄光塗料によって際立ったインデックスや、第2世代の一体型の「ロブスター」ブレスレットが組み合わされたことも言及しておきたい。
Ref.01.0200.415
第2世代のエル・プリメロのハイライトである通称「TVスクリーン」ことRef.01.0200.415は、1970年代の「スペースエイジ」の美学を反映したユニークなデザインが特徴だ。当時のテレビを模した角型ケース、傾斜フランジが付いたメタリックなダークブルー文字盤、特許を持つプッシュボタンなどを備えている。
また72年以降採用されているゼニスの新しいロゴが配された、3連のステンレススティール製ブレスレットが組み合わされている。
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