時計離れした圧倒的耐衝撃性能を、金属製のケース&ブレスレットでも実現したフルメタルG-SHOCK。2018年の登場以来、ひとつのジャンルとして確立した同シリーズには現在、ふたつのマスターピースが存在する。ひとつがオリジンのキャラクターを色濃く残す「GMW-B5000」。そしてもうひとつが、アナログとデジタルのコンビウォッチ「GM-B2100」だ。
大ヒット作GA-2100をフルメタル化した最新モデル。ポリカーボネート製ダイアルを金属質に見せる塗装や、一体成形されたプラスティックの文字盤パーツなど、長年カシオが培ってきたウォッチメイキングの技術が集結されている。タフソーラー。パワーリザーブ約7カ月。SS(縦49.8×横44.4mm、厚さ12.8mm)。20気圧防水。7万1500円(税込み)。
(下)GMW-B5000
2018年に登場した看板モデル。STNLCD製の液晶は視認性が高く、あらゆる環境下でも安心して装着することが可能だ。登場から5年近くが経った現在でも、いまだに時計部門の販売本数ベスト10に入るほどの人気を誇る。タフソーラー。パワーリザーブ約10カ月。SS(縦49.3×横43.2mm、厚さ13mm)。20気圧防水。6万6000円(税込み)。
細田雄人(本誌):取材・文 Edited & Text by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2023年3月号掲載記事]
FULLMETAL G-SHOCK
現在G-SHOCKには、フルメタルシリーズを語る上で欠かせないモデルがふたつ存在する。ひとつが2018年に〝オリジン〞こと「DW-5000C」の外装をフルメタル化することで大きな話題を呼んだ「GMWB5000」だ。GMW-B5000はブランド誕生35周年という節目の年にG-SHOCK=樹脂ケースという固定観念を打ち破り、アイコンに新しいキャラクターを与えた、まさにG-SHOCKのマスターピースと呼ぶにふさわしい存在である。
もう一方はGMW-B5000に次ぐ新時代のマスターピース「GM-B2100」だ。オリジンの八角形ベゼルを現代的に再解釈した19年の大ヒット作「GA-2100」をベースとし、22年に生まれた同作は、デジタルウォッチのオリジンとは異なったアナログ式の時刻表示を持つ。そのため、ケース構造こそ同じながら両者のキャラクターは全くの別物である。
マスターピースの「次世代」を担うGM-B2100は、山形カシオが培ってきたプラスティック成形技術の集大成とも言える文字盤が特徴だ。例えばインデックス。一見、アプライドのようだが、見返しリングと一体成形されており、文字盤から浮いた状態で固定されているのだ。メインダイアルからひとつ上の層にインデックスが配置されるレイヤー構造は、文字盤に立体感をもたらし、高い視認性を確保する。この辺りの工夫は、まさにアナログ時計ならでは。
加えてポリカーボネートとプラスティックで構成される文字盤は、同作にフルメタルG-SHOCK最薄のケースを実現させた。前述の通りケース構造こそ変わらないが、装着感はフルメタル随一だ。
対する「定番」、GMW-B5000は「DW- 5600」といったベーシックなシリーズよりも質の高い液晶を用いて、視認性のアップを図っている。コントラストの高い文字表示は強い光源下でもはっきりと読み取り可能で、暗所でも液晶全面を照らすバックライトが高い判読性を保つ。シチュエーションに左右されない実用性はオリジンの直系にふさわしいキャラクターだ。
オリジンを正統進化させたGMW-B5000と、アナログ時計らしさをカシオの技術力で追求したGM-B2100。キャラクターこそ異なるが、どちらもG-SHOCKの完成形である。
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